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凍り付いた猫達 
第二章

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「ニャ〜〜」
「オミーっていうんです」
 金髪を後ろで束ねた十歳位の青い目で年齢の割には背の高い少女が微笑んで言ってきた。ロシアだけあって厚着である。
「この娘は」
「そうなんだ」
「うちの猫でして」
「君の?」
「はい、このホテルの」
 少女はダターに微笑んで話した。
「一歳の雄の子です」
「そうなんだ、サイベリアンだね」
「わかります?種類」
「これでも獣医だからね、サイベリアンは三重の毛でね」 
 このことも話した。
「寒さに強いね」
「はい、ですが冬に水溜まりが凍って脚が動かなくなって」
「それでなんだ」
「それを見た街のお兄さんとお姉さんが脚と氷にお湯を何度もかけて溶かしてくれて」 
 そうしてというのだ。
「出られて獣医さんに保護されて」
「それでなんだ」
「野良猫だったんで飼い主を募集することになって」
「君のお家で引き取ったんだね」
「はい、SNSを見て」
「そうなんだ、実はね」 
 ダターはフラッフィーのことを少女に話した、そのうえで言った。
「凍ってもね」
「そうした猫を助けないといけないですね」
「命だからね」 
 それがある存在だからだというのだ。
「そいうしないとね」
「そうですよね」
「そのお兄さんお姉さんもそうしたし」
 ダターは少女も見て話した。
「お嬢さんもね」
「私もですか」
「お嬢さんのご家族もね」 
 彼等もというのだ。
「そうしたよ、そして私もだね」
「いいことですね」
「そう思うよ、ピンチにある命を助けることは」
「まさにですね」
「いいことだよ、だからこれからも」
「はい、ピンチにある命はですね」
「助けていこうね」
「そうしましょう」
 少女も笑顔で頷いた、そうしてだった。
 彼女は自分の傍にいるオミーを抱き上げた、すると猫は嬉しそうに喉を鳴らした。ダターはそんな彼を見てフラッフィーのことも思い出してこれからも命を助けていこうと誓った。


凍り付いた猫達   完


                2022・2・25
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