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リリなのinボクらの太陽サーガ
憑魔アンビバレンス
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第1管理世界ミッドチルダ 衛星軌道
管理局本局―――否、ギジタイ内部


「はぁ……はぁ……」

ヒトの活動拠点としての雰囲気が消えたことで一層不気味な印象を抱かせる通路を、リインフォース・ツヴァイは必死に息を殺しつつも先を急いでいた。彼女の向かう先はここが本局だった頃、上層部しか入れなかった秘匿空間……かつては最高評議会の管轄下であり、今ではギジタイのコントロールルームとなった場所である。

少し前……

「よく聞いてね、ツヴァイ。ボク達はこれからキミをギジタイの中に転移させる。フェンサリルから借りたゲートキーパーの機能と、エルザに換装したアウターヘブン社製新型動力炉を接続させれば、次元断層を超えて転移させることができるんだ。でも狙った場所に確実に転移できるのは小規模の物質のみ。せいぜい仔月光のサイズまでが限界で、それ以上だと座標が不安定になって、どことも知れない宇宙空間に放り出されることになる。そうなったら永遠に宇宙のデブリになるか、あるいは大気圏突入で燃えカスになっちゃうからね」

「だからこの場にいる人達の中で、わたしだけ転移できるってことですか?」

「うん。でも転移先は敵地、それも最重要施設のど真ん中だ。キミ一人がそこで戦った所で勝ち目はゼロ、そもそも戦闘行為自体が無意味なんだ。だから戦闘が始まった時点でキミの敗北は決定され、ミッドにいる皆への助力は絶望的になるってことは重々理解してね」

「はいです。ステルスに徹して、見つかったらすぐに逃げること、ですね」

「理解が早くて何より。じゃあ早速目的を説明するよ。ギジタイのコントロールルームに潜入して、可能ならコントロールを奪還。無理そうなら少しでも情報を抜き出して破壊工作後、転移魔法でギジタイを脱出。地上のシャロン達と合流してほしい」

「了解です」

「次元断層が展開されてから今日で三日目……現地とは軽いデータでしかやり取り出来なくなった。だけどこの装置をシェルターに接続させれば通信の出力を強化できるし、その世界……この場合ミッド限定だけどマーカーを設置した場所へ自由に転移できるようになる。その関係で転移魔法の座標の安定性もサポートしてくれるよ。今はシャロンの持つウーニウェルシタースをマーカーに設定してるから、転移魔法を使うとすぐに彼女と合流できるって寸法さ」

「通信のブースターと、転移装置……戦略的にもすごく重要ですね」

「そもそも襲撃や次元断層さえなければ、ミッドを含む各世界のシェルターの設備は近い内にアップデートさせるつもりだったから、これは元々の予定でもあるんだけどね。とにかく、この作戦の主目的はその装置を届けることだから、ギジタイの攻略は二の次……そもそもギジタイの中が今どうなってるか見てくるだけでも、ボク達には十分なんだ。だから
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