第一章
[2]次話
ハイスクールシンデレラ
高校の文化祭では何かと催しがある、それはこの高校でも同じであり。
クラスそれぞれで店や劇をしてそのうえでそれぞれ代表を出してミスコンもしていた、その中でだった。
二年二組もミスコンに誰かを出すことにしたが。
このクラスはくじ引きで代表を選ぶことにした、こうしたことは誰かが立候補すると自分が美人と思っているのかという意見が出たりだ。
やっかみがあったりまた嫌がらせで無理矢理立候補させたりするケースがあると担任が言ったからだ。いい鉄は釘にならずいい人は教師にならない日本社会の中でこの担任は比較的聡明な人物と言えた。
それでくじ引きで当選したのは。
「えっ、私ですか」
「そうか、頼んだぞ」
担任はあたりを引いた奧邨梨沙に告げた、背は一五〇程でだ。
やや癖のある黒髪を短くしていて垂れ目で赤い大きな縁の眼鏡をかけている、クラスでは無口でいつも俯いている。所謂地味娘だの陰キャラとも言われている娘だ。部活は美術部だがそちらでも目立たない。
その彼女にだ、こう言ったのだった。
「ミスコンは」
「私なんかが」
梨沙は全く自信がなかった、それこそだ。
優勝どころか出場することさえ考えられなかった、だが。
出ることは決まった、それで学校側が行うドレスアップやメイクもリハーサルの時に受けることになったが。
それを行う保健の湯上玲切れ長の艶やかな感じの目で色白で赤い大きめの唇にやや茶色に染めた黒髪を長く伸ばしセットし一六七程の背で見事なスタイルを持ち膝までのタイトスカートも白衣も黒タイツもヒールも似合う彼女がだ。
梨沙のセットを受けたがここでだった。
彼女の顔を見てだ、すぐに言った。
「貴女化けるわよ」
「化けますか」
「ええ、私高校と大学でドレスアップやメイクの仕事をしていたけれど」
その経験から言うというのだ。
「貴女みたいな娘は見たことがないわ」
「私なんかとても」
「とてもじゃないわ、見てなさい」
玲は梨沙に笑顔で約束した。
「凄くなるわ」
「そんな筈が」
「あるわ」
笑顔のまま言ってだった。
玲は梨沙のドレスアップとメイクをはじめた、彼女に似合うドレスを用意してだった。
メイクもして髪も整えた、すると。
色白でしかもきめ細かい肌に健康的な黒髪でやや丸顔で愛嬌のある感じでしかも均整の取れたスタイルでだった。
白いプリンセスが着る様なドレスを着せてメイクもして髪の毛を整えてだ、コンテストの会場に送り出すと。
学園の誰もが梨沙を見て驚きの声をあげた。
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