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俺様勇者と武闘家日記
第2部
エジンベア
ミオの挑戦状
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がそう言う人に対して苦手意識を持っているとなると、モテると言うのも良いことばかりじゃないのかもしれない。
「なるほど。ユウリくんはそういう女性に好かれやすいタイプなのね。難儀な性格だわ」
 アルヴィスも同情するように頷く。
「この前会ったときは、国王との謁見の際にお互い自己紹介をした程度だったが、まさかこんな形で王女と再会するとは思わなかった」
 この前って、私がマギーのお店に行ってたときだったよね? その頃からヘレン王女は、ユウリのことが好きになってたんだ。
 ビビアンに夢中になったナギもそうだったけど、一目惚れって本当にあるんだなあ。
「うーん、まあ要するに、ミオが優勝すればいいんでしょ? だったら私たちに出来ることはただ一つ。ミオを全力で応援するのみよ!」
「そうね。そもそもそのつもりでアタシたちも来たんだし、お互い頑張らないとね♪」
「二人とも……。うん、そうだね! 頑張るよ!!」
 二人に後押しされ、私は俄然やる気が漲ってきた。
 時計を見ると、すでに九時を回っている。
「あ、もうこんな時間!! そろそろ私、行くね!」
「頑張って!!」
「気をつけてネ! 途中で転ばないでよ!!」
 二人の声援に背を向けると、私は気合いをいれて待合室へと向かう。
 すると、突然後ろから手首を掴まれた。
「ユウリ?」
 私を引き留めたユウリは、少し言いにくそうにしながらも、視線をまっすぐにこちらに向け、
「……お、応援するから、必ず優勝してくれ」
 そう小さな声で言った。こんな風に私を頼る彼の姿を初めて見たからだろうか、胸の奥が熱くなるのを感じた。
「うん、もちろんだよ!」
 私はにっこりと笑顔で返す。そのあとすぐに私は会場へと向かったので、彼がどんな表情をしていたのか知るよしもないが、きっと彼やビビアンたちは応援してくれるだろう。皆の期待を背負い、私は意を決してコンテストに挑むのであった。
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