暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン もう一人の主人公の物語
■■SAO編 主人公:マルバ■■
四人で紡ぐ物語◆レッドギルド
第二十五話 ブラッディスクウェア
[1/3]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
「うーん、このへんも物騒だねえ……」
マルバは二週間貸切という長期契約でギルドホーム代わりに借りた貸家に自分で持ち込んだお気に入りのソファにくつろぎながら新聞を読んでいた。
ここは最前線より二層下の層の主街区の小川のほとり。なかなかいい家が見つかったので《リトル・エネミーズ》はしばらくここを拠点として活動している。

「なにか気になる記事がありましたか?」
「ほら、ここ。」
マルバは横から覗きこんできたシリカに新聞を手渡した。所有権情報が書き換わり、マルバはその羊皮紙に書かれている情報が読み取れなくなる。代わりにシリカがそれを読み上げた。
「新たに確認されたレッドギルド、《ブラッディスクウェア》、ですか?……って、最近探索してるサブダンジョンですよね、ここ。」
「そうなんだよ。レッドギルドがいた場所で探索するのは危険だし、この前あらかた探索し終わっちゃったからまた前線の迷宮区に戻ることにしない?」
「そうですね。まだマッピング済んでないところがありますし、今度の攻略会議までにできるだけ踏破しておきませんか?」

《リトル・エネミーズ》の行き先は正副ギルドマスターであるマルバとシリカの話し合いによって決まる。マルバもシリカも全員で話し合った方がいいと主張したのだが、アイリアとミズキがマルバとシリカの二人に決めて欲しいと言ったのだ。ミズキ曰く、「俺はそんな細々したこと考えると気が狂いそうになる」とのこと。また、アイリア曰く、「誰かに付いてったほうが気楽でいい」らしい。なんとも適当なギルドである。
おかげでシリカとマルバが危惧した『二人だけの時間が少なくなる』ことはほとんどなかった。むしろ、『ギルド全体の目標を決める責任』が二人の絆をより堅固なものとしたと言ってもいいだろう。ギルドの生存の一端は間違いなくシリカとマルバの二人にある。それは怖くもあったが仲間に信頼されている証拠でもあるため、シリカもマルバもそう嫌な気持ちにはならなかった。
更に言えば、ギルドはシステム上はひとつのパーティーであるが、戦術的にみれば二つの小さなパーティーが束ねられたようなものであった。アイリアとミズキが敵のタゲを取り、シリカとマルバが遊撃する。二人ずつの連携が特に重要となり、シリカとマルバは戦いにおいても絆を深めることになった。

シリカとマルバの仲が深まるにつれ、アイリアとミズキの仲も深まっていった。もともと盾使いと長物使いは戦術的に相性がいい。二人の戦闘での声の掛け合いは戦闘を重ねるにつれてどんどん簡略化され、たった一声かけるだけでほとんどの意思疎通が可能な状態にまでになっていた。
戦闘以外の面でも、どこまでもテキトーなアイリアとミズキは相性が良かった。シリカとマルバが額をつき合わせて戦術や行き先を決めている間も、二人はマルバの作ったおやつをつまみな
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ