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ドリトル先生とめでたい幽霊
第五幕その六

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「建てられたんだ」
「今の三代目の天守閣だね」
「そうだよ、この天守閣は空襲でも生き残っているから」
「幸運だね」
「空襲で周りが瓦礫の山になったけれど」
 それでもというのです。
「天守閣だけはね」
「残ったんだね」
「そうだったんだよ」
「そうした天守閣だね」
「だから今の天守閣は大事にしたいよね」
「そうだね」
 王子も先生の言葉に頷きました。
「そうしたお話を聞くとね」
「これまでの天守閣はなくなってきていて」
「空襲でも生き残ってきたから」
「今の天守閣はね」
 三代目のそれはというのです。
「これからもね」
「ずっとね」
「残って欲しいよ」
「全くだね」
 王子も頷くことでした、そうしたお話をしながらです。
 先生達は山椒昆布も食べました、その後で。
 先生は皆をある本屋に案内しました、そこは。
「天牛書店?」
「この本屋もかしら」
「織田作さんに縁があるんだ」
「そうなの」
「そうだよ、この本屋さんもね」
 まさにというのです。
「織田作さん由縁で織田作さんが生きていた時とは場所が違うけれど」
「作品にも出ていたの」
「そうだったんだ」
「この本屋さんも」
「というか織田作さん自身がね」 
 先生は皆にお話しました。
「よく来ていたんだ」
「ああ、作家さんだとね」
「本を読まないと駄目だからね」
「それでだね」
「そうなんだ、この本屋さんによく来てね」
 そうしてというのです。
「本を探していたんだ」
「ここにあった時じゃないけれど」
「そうだったんだ」
「成程ね」
「そうでなくてもこの辺りをね」
「よく歩いたんだね」
「そうだよ、大坂のね。それでね」
 先生は皆にさらに言いました。
「これから道頓堀にも行こうか」
「あっ、あそこに行くんだ」
「道頓堀に」
「もう大阪の中の大阪」
「そう言っていい場所に」
「織田作さんはあちらにもよく行っていてね」
 そうしてというのです。
「文楽を楽しみもしていたよ」
「美味しいものも食べて」
「そして文楽も楽しんでいた」
「そうだったんだ」
「そうだよ、文楽好きでもあってね」
 こう動物の皆にお話しました。
「それでなんだ」
「よく文楽も観ていたんだ」
「浄瑠璃とかだね」
「日本の伝統文化だね」
「それをだったんだ」
「浄瑠璃の題目は歌舞伎とも重なっていてね」
 そうしてというのです。
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