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第十二話 合コンのはじまりその七

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「出来る人もいるけれど」
「あまりないでしょ」
「七十で子供作る人もいても」 
 留奈はかな恵に話した。
「けれどね」
「少ないでしょ」
「ええ」
「しかもその頃って人間五十年よ」
 かな恵は信長が好んでいた敦盛の一句を出した。
「それで五十過ぎてね」
「子供出来るとかは」
「しかも秀吉さん結構衰えていたっていうし」 
 身体も頭の冴えも老齢に差し掛かりそうなっていたという、今で言うアルツハイマーになっていたのであろうか。
「それでね」
「子供出来るなんてことは」
「ちょっとね」
「考えられないのね」
「若い頃は全然出来なくて」
 一説には二人子が出来ていたという。
「それでそんなね」
「当時の平均寿命超えて」
「それで衰えてからね」
「子供が出来るか」
「ちょっとないんじゃないかな」
 かな恵はこう言った、いつもの穏やかな表情特徴で。
「やっぱり」
「そうなるのね」
「しかも秀頼さん一九〇センチで体重百三十キロだったらしいわ」
「でかいわね」
 理虹はその大きさに驚いた。
「力士さん並じゃない」
「当時の平均身長一六〇位だったっていうけれど」
「滅茶苦茶大きいわね」
「当時だと尚更ね」
「あれっ、秀吉さん小柄でしょ」
 理虹はここでこのことを思い出した。
「そうでしょ」
「ええ、一六〇位だったらしいわ」
「当時だと普通?」
「小柄じゃなくてね」
「そうね、ただ秀頼さんが一九〇ね」 
 理虹はあらためて彼の背のことを思った。
「何かね」
「遺伝感じないわね」
「ちょっとね」
「お祖父さんとお祖母さんは大きかったらしいけれど」
 淀殿の両親である浅井長政とお市の方はそうであったとのことだ。
「隔世遺伝かも知れないけれど」
「親子にはね」
「あまり思えないわよね」
「ええ」
 そして大野治長は大男だったという、しかも顔立ちも整っていたとある。
「私もそこがね」
「気になってるのね」
「もっと言えばそこもね」
 秀吉と秀頼の体格の違いもというのだ。
「どうもね」
「じゃあやっぱり」
「秀吉さん子供が出来ない体質だったかもね」
 かな恵はこう言った。
「物凄い女好きでも二人だけとかね」
「しかも産んだ人は一人だけで」
「息子さんも似てない感じだし」
「それだと」
「私としては思うのよ」
「まあたまたまかも知れないけれどね」
 富美子はあえて淀殿の不倫の可能性を消去して述べた。
「それも」
「富美子ちゃんとしてはなのね」
「子供って授かりものっていうから」
「出来る時は出来て」
「出来ない時は出来ないからね」
 こうかな恵に話した。
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