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ドリトル先生とめでたい幽霊
第四幕その四

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「恋愛があって素敵なお話になってるんだよね」
「それが源氏物語だけれど」
「織田作さんは恋愛でも全く違うね」
 オシツオサレツは二つの頭で言いました。
「雅も儚さもなくて」
「普通の人がいるんだね」
「大阪のね、それもまた素晴らしいよ」
 源氏物語も素晴らしくてというのです。
「やっぱり織田作さんは古典で言うと井原西鶴だね」
「その人になるんだね」
「好色一代男とか書いた」
「江戸時代の人だね」
「この作品凄くて」
 好色一代男はというのです。
「子供の頃から女の人に夢中でね」
「それで大人になるんだね」
「そうなんだね」
「そして大人になっても」
「作品の題名を聞いたらわかるけれど」
「女の人だけでなく美少年ともで」
 同性愛もというのです。
「日本はそっちもいいからね」
「ああ、そうだったね」
「日本は同性愛も普通だよね」
「それで捕まった人いないから」
「倫理的にも責められないね」
「だからそちらも楽しんで」
 そしてというのです。
「最後、六十になったら女護ヶ島っていう女の人が一杯いる島に行って終わるんだ」
「そこで何するか気になるね」
「どうせ女の人ばかりだろうけれど」
「源氏物語と全く違うね」
「本当に」
「うん、全くね」
 まさにとです、先生も答えます。
「それで織田作さんはそこまで極端なものは書かなかったけれど」
「やっぱり街の人達を書いていたんだね」
「大阪にいる人達を」
「そのありのままの姿で」
「そこに恋愛があるんだね」
「西鶴さんもそうだったんだ」
 その書いていたものはというのです。
「大坂の人達でね」
「それでだね」
「織田作さんもそうだね」
「雅とか戦とか権力とか」
「神仏の教えとかもないんだね」
「神社やお寺それに信仰も生活の中にあるんだ」
 大阪の人達のというのです。
「あくまでね」
「成程ね」
「あくまで書かれるのは大阪なんだね」
「そして大阪の人達で」
「全部その中にあるんだ」
「西鶴さんも大坂の人だったしね」
 織田作さんと同じくというのです。
「だからね」
「成程ね」
「織田作さんの恋愛もわかってきたよ」
「どういったものか」
「先生のお話を聞いて」
「それは何よりだよ、まあ僕にはね」
 今も作品を読んでいます、その中での言葉です。
「恋愛は無縁だけれどね」
「またそう言うし」
「全く、先生はあくまでそう言うね」
「自分は恋愛とは無縁って」
「そうした風にね」
「事実ないからね」
 恋愛はというのです。
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