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I WANNA CHANCE
第二章

[8]前話
「そう考えています」
「それならね」 
 社長さんは私の言葉を聞いてこう答えてくれた。
「欲しいと思うことよ、そうすればね」
「チャンスはですか」
「見付かってね」
 そうしてというのだ。
「幸せになれるわ」
「そうだといいですが」
「安心しなさい、貴女なら大丈夫よ」
 社長さんは私にこうも言ってくれた、けれど私としてはどうしても焦ってしまい仕事をしつつそうした時間を持てないことに焦りだけでなく苛立ちも感じだしていた、だがそんな時に。
 取り引き先の人と会う時にだった、相手の人の一人が。
 完全に私のタイプだった、それで思わず嘘こんな素敵な人いるのと思ったところで。 
 その人と目が会った、するとその人も私がタイプだったらしく思わず言葉を飲んだ、そして取り引きの話の間は。
 私もその人も仕事に徹した、だがその後で。
 彼から私に話しかけてきてくれてそこからお付き合いがはじまった、それから一年程で結婚に至った。
 結婚してからも仕事を続けたが社長さんは私に笑顔で言ってきた。
「チャンスを手に入れたわね」
「思わぬ出会いでした」
 私は社長さんに笑顔で応えた。
「まさかお仕事の時に出会えるなんて」
「行ったでしょ、チャンスは欲しいと思ったらね」
「見付かるものですか」
「そうよ」
「あの、ですが」 
 私は笑顔でお話してくれる社長さんにふとまさかと思ったことを話した。
「私が相手の人を探していて。それで私と主人のそれぞれのタイプを」
「さて、どうかしら」
 社長さんは笑って応えた。
「ただ人が求めているならそれを知ったら」
「他の人はですか」
「何かをするかも知れないわね」
「そういうことですか」
「チャンスを求めれば探して」
「他の人もですか」
「かも知れないわ。まず大事なのはね」 
 このことはというのだった。
「チャンスが欲しいと思って自覚して」
「探してチャンスを結果にする様に努力することですか」
「そうよ、だからね」
 それでというのだ。
「そのことはね」
「覚えておくことですね」
「そうすればチャンスが訪れた時にね」
「それを結果につなげられますね」
「そうよ、だから貴女が幸せになったし」
「それならですね」
「他の人もそうなるべきね」
「そうですね、そのお言葉肝に銘じておきます」
 私は社長さんに笑顔で応えた、ただ私も主人も社長さんに自分の好みは言っていないのにと思ったがこちらも答えはあった。目がいく異性の人を見ればわかるということだった。私はこのことにも納得した。そして主人との幸せな生活を続けていった。


I WANNA CHANCE   完


                   2021・8・8
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