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痩せてびっくり
第二章

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 毎日出来るだけ歩いて学校の近くのジムで水泳をしてサウナにも入って家の風呂にじっくり入った。カラオケでも歌った。
 そうしているとまさに見る見るうちに痩せてだった。
 三ヶ月も経つとだった。
「武田さん変わったな」
「前はコロコロどころじゃなく太ってたのに」
「何あれ」
「滅茶苦茶痩せたじゃない」
「お顔もすっきりして」
「スタイルはボン、キュッ、ボン」
「物凄い美人さんになったじゃない」
 長い黒髪がさらさらとしていて切れ長の澄んだ目の流麗な顔立ちの美少女になっていた、それこそだった。
 もう誰も彼女を太っていると言わなかった、スタイルもよく学園の中のミスコンに出ても堂々たる一位即ち優勝だった。
 残念ながら意中の人は他に好きな人がいて交際していたので告白出来なかったが。
「スカウトされたの」
「そうなの」
「この前街を歩いていたらね」
 幸子に学校の中で話した。
「声をかけられたの」
「それはよかったわね」
「八条芸能の人、名刺も貰ったわ」
「大手じゃない」
 幸子はその事務所の名前を聞いてすぐに言った。
「八条グループの」
「世界的な企業グループでね」
「そこの芸能部門じゃない」
「そこにスカウトされたの」
「受けたらいいわ」
 幸子はすぐに答えた。
「あそこは良心的な事務所としても有名だし」
「悪い様にはならないわね」
「あんたの努力次第で何とでもなるわ」
「わかったわ、じゃあ受けるわね」
「そうしなさい、しかしね」
 幸子は今の麻里亜、黒髪も目もきらきらとしていて透き通ったきめ細かい肌と抜群の顔立ちとスタイルの彼女を見て言った。
「私がアドバイスしたにしても」
「言う通りにしたらこうなったわ」
「予想よりも遥かに奇麗になったわね」
「そうなの」
「ええ、もうね」
 それこそというのだ。
「今のあんた超絶美少女だから」
「それでなのね」
「予想以上だったわ」 
「そうなのね」
「そうよ、けれどあんたがそれで奇麗になって幸せになれるなら」
 幸子は笑顔で話した。
「私もアドバイスしてよかったわ」
「そう言ってくれるのね」
「ええ、本当にね」
 友人として麻里亜に心から話した、そしてだった。
 スカウトを受けた麻里亜は芸能界デビューしてカラオケで備えた歌唱力で美貌の歌姫と呼ばれる様になった。だが彼女の昔を知る者はあのボールがと思うのだった。今は誰が見ても見事な美貌の彼女を見て。


痩せてびっくり   完


                   2022・1・25
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