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漫画でしかないことじゃない
第三章

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「ずっと起こっていたんだからな」
「それでそう言うのね」
「そうだ、よくこんな大会が出来たものだ」
「そこまで言うのね」
「何度も言う、こんなことはどれもしたら駄目だ」
 伊原はスポーツマンとして言い切った。
「何があっても絶対にだ」
「あなた怒っているわね」
「怒って呆れている」
 両方だというのだ。
「本当にな」
「そうなのね」
「ああ、子供達にもな」
「教えていくのね」
「具体的な例を知られた」
 そうした意味で収穫があったというのだ。
「だからな」
「そうするのね」
「一つ一つ絶対にやってはいけないこととしてな」
「教えていくのね」
「酷いと思うなら」
 それならというのだ。
「しないことだからな」
「そうね、そうしたことを教えることも大事ね」
「スポーツはただ楽しむだけじゃないんだ」
 伊原は妻に真面目な顔で語った、見れば黒髪をショートにしていて明るい顔立ちでスタイルがいい。葵という名前でお見合いで結婚している。出来た奥さんである。
「ルールそしてスポーツマンシップを教えて」
「人として正しい道を歩んでもらう」
「勝つことも大事だしプロになれば」
「そこで生きていくから」
「技量も大事になるよ」
「そうよね」
「けれど人の道があるんだ」
 何といってもというのだ。
「だからね」
「子供達にはスポーツマンシップを教えないといけないわね」
「だからこそ」 
 まさにその為にというのだ。
「やってはいけないこともだよ」
「教えないといけないわね」
「この大会はそのやってはいけないことばかりだよ」
「その出来事の一つ一つを教えていくのね」
「子供達にね。しかし」
 伊原は眉を顰めさせて言った。
「ここまでスポーツマンシップがないと呆れるよ」
「そこまで酷いのね」
「とんでもないよ」
 伊原はこう言ってだった。
 子供達に実際にこの大会で知ったことを教えていった、スポーツマンシップがどれだけ大事かということを。


漫画でしかないことじゃない   完


                   2022・1・23
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