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『言霊使いと幻想郷』
第四話
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?」

 何て読むんだこれ?

「ふみひさまる新聞?」

「いやいや違いますよ。これは文々。新聞(ぶんぶんまる)というんですよ」

「……ややこしいな」

「いいじゃないですか」

 まぁいいんだけどな。

「それで射命丸は俺に何か用でもあるのか?」

「はい、外来人の取材をしようと思いまして」

「外来人……って事は俺の事か?」

「えぇそうです。外から来る人間は外来人と呼んでいます」

「あんまり取材してもらえる人間じゃないけどな」

「いえいえ、そんな事はありませんよ」

「まぁいいよ。簡単な事くらいなら」

「ありがとうございます。ではですね……」

 そして俺は射命丸の取材を受けた。

「なんと、外でも妖怪の町があるのですか?」

「正確には人間と妖怪が共存している町だな。この幻想郷は妖怪のためだろ? 桜新町は共存の町でもあるけど、元は妖怪の終焉の町だった」

「終焉の町……ですか?」

「あぁ、聞いた事あるかどうかは知らんけど桜新町は妖怪をあの世へ送る事が出来る比泉という人間がいる。桜新町にいる妖怪は元々は調律してもらうために集まってきたんだけど……」

「それがいつの間にか妖怪も人生を全うしてあの世へと?」

「まぁな。けど厄介なのは堕とされるだな」

 俺は右手を握る。

「堕とされる……ですか?」

「天災のようなもんだな。俺もその犠牲者の一人だ。『凍』」

 俺は射命丸に力を見せる。

「……成る程。外の世界も色々な妖怪やこういうのがあるんですね。妖怪は幻想郷にいる妖怪みたいなのがいると思ってましたけど……」

「そういう先入観があるからな。それは仕方ない事だな」

 俺はお茶を飲む。

「外に……桜新町に戻りたいという気は?」

「いや無いな。俺は今のところ、外の世界では故人となっているだろうな。それに父さんも母さんも堕とされた幼馴染みの犠牲になっている。もし俺が戻ったら幼馴染みの精神は壊れるかもしれんしな」

「……そうですか。分かりました、少しぼかして載せますのでそれでいいですか?」

「あぁいいよ」

「それでは、取材ありがとうございました」

「はや……」

 あっという間のスピードだな。

「誠兄、終わった? 終わったなら夕御飯の支度しよう」

「お、そんな時間か。今行くよ」

 俺と霊夢は台所へと向かった。後日、俺の取材が発行された文々。新聞は意外にも売れたらしい。

 まぁ珍しい半妖が来たからな。








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