第十二幕その三
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「その人にはね」
「負けるんだね」
「そう思うよ」
こう言うのでした。
「上には上がいるよ」
「釣りもそうだね」
「本当にね、ただね」
「ただ?」
「別にいいよ」
自分より釣りが上手な人がいてもというのです。
「わしは釣りが好きでいつも楽しんでいるからね
「楽しんでいるからだね」
「そう、わしが楽しんでいたら」
それならというのです。
「わしより上手な人がいても」
「いいんだね」
「楽しむ為に釣りをしているからね」
「競う為ではないね」
「だからね」
それでというのです。
「別にね」
「いいんだね」
「そうした人がいてもね」
「成程ね、ではね」
「うん、こうしてだよ」
見事なタチウオを釣って言いました。
「釣りを楽しむよ」
「それではね」
「さて、今日の晩ご飯だけれど」
トロットも釣りをしつつ言います。
「ハモと蛸よ」
「その二つだね」
「ハモのあらいとお吸いもので」
そしてというのです。
「酢だことたこ焼きよ」
「おお、たこ焼きもなんだ」
「そして明日の朝は鰹のたたきで」
こちらでというのです。
「お昼は鯨料理よ」
「ううむ、鯨も食べるんだね」
「そうよ」
「わし等の頃は鯨を食べるなんてね」
「知らなかったわね」
「考えもしなかったよ」
こうトロットに言いました。
「全くね」
「そうだったわね」
「それが日本では食べていてね」
「オズの国でもね」
「食べる様になったよ」
「日系人の人達が入って来て」
そうしてというのです。
「そうなったわね」
「そうだね」
「鯨料理も色々あるのよね」
トロットは海を見ながらお話をしました。
「ベーコンにさらしくじらにお刺身にステーキにね」
「あとお鍋もあるね」
「ハリハリ鍋もね」
「本当に色々あるから」
「全部楽しめるね」
「そうなのよね」
「鯨というと」
前ノーム王はここで、でした。
海の遠くの方を見ました、するとです。
そこから鯨の潮が見えました、それで皆に言いました。
「あそこでだよ」
「大きな潮を吹いているわね」
トロットもその潮を見て言いました。
「あれはかなり大きな鯨ね」
「その鯨を食べているんだね」
「そうよ」
「今のオズの国では」
「そうなの」
実際にというのです。
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