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オズのラゲドー氏
第十一幕その八

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「オズの国に来られているのよ」
「そうですか」
「ボームさんもそうでしょ」
 最初にオズの国のことを皆に教えてくれたこの人もというのです。
「そうでしょ」
「そうでしたね、これでオズの国に行けるって」
「外の世界での人生を終えられた時に言われましたね」
「そう、それでね」
「ダ=ヴィンチさん達もですね」
「オズの国におられるのよ。前にお話が出た秀吉さんも」 
 日本のこの人もというのです。
「夢を持っておられるから」
「オズの国に来られたんですね」
「それで楽しく過ごされているのよ」
「そうなんですね」
「これ秀吉さんがこの美術館に贈ってくれたものよ」
 ビリーナはナターシャ達に折り畳み式の金の茶室を見せて言いました。
「この茶室はね」
「あっ、大阪城にある」
「その茶室だね」
「この茶室この世界にもあるんだ」
「それで秀吉さんこの美術館に贈ったんだ」
「そうなのね」
「ええ、あの人物凄く気前がよくてね」
 それでというのです。
「二つ持ってるからってね、こっちの世界だと」
「それならなのね」
「一つは贈ったんだね」
「そして残る一つは自分が持っている」
「そうしているんだね」
「こんな凄いものを」
「そうなのよ、こんな凄いものをね」
 黄金の折り畳み式の茶室をというのです。
「贈ってくれたのよ」
「いや、ここに入ってね」
 前ノーム王も言いました。
「お茶を飲んだらどんな気持ちになるのかな」
「日本のお茶ね」
「うん、お抹茶をね」
 ポリクロームに応えました。
「そう思ったよ、今ね」
「こんな茶室があるなんて思わなかったわ」
 ポリクリームもその茶室を前にして言います。
「凄いわね」
「わしも宝石や黄金は多く持っているがね」
「こうしたものは持っていないのね」
「うむ、それにね」 
 さらに言うのでした。
「こうして贈るなんてね」
「余計に凄いわね」
「秀吉さんの度量にも驚くよ」
 こうも言うのでした。
「本当にね、これは手本にしないと」
「駄目だっていうのね」
「そうだよ」
「以前の貴方は違ったからなのね」
「こんなことをするなんて」
 それこそというのです。
「発想すらなかったよ」
「だからなのね」
「うん、ケチなことはしないで」
 そうしてというのです。
「無欲で気前よくね」
「ありたいのね」
「そう思ったよ」
「そうね、オズの国の人達は皆無欲だから」
 トロットも言います。
「貴方もね」
「無欲であるべきだね」
「そして気前よくよ」
「あるべきだね」
「そう思うから」
「秀吉さんもお手本にすべきだね」
「いいと思った人や物事は何でもお手本にしないとね」 
 トロットは笑顔でこうも言いました。
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