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ソードアート・オンライン 八葉の煌き
「逆」ナインチンゲール効果
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一刀流の時もこんな感じだったよな……」
「そうですね、ニュースには尾ひれが付く物ですから」
「大変だなキリトも、大昔の『ビーター』よりも話題にされちゃって」
「見出しにはこう出てますけど結局死亡者は一人もいません」
「そうか……そりゃ俺の活躍あっての物だよな?」
 言ってからしまったと思って口を抑えるも時既に遅し。俺は派手に地雷を踏んでしまった。案の定リーシャの顔が氷の様に冷たくなっていく。SAOの感情は表現が激しいと言われるがここにもそれが適用されると言うのはいかがな物だろう。
「死にたいんですか、貴方殺されたい人?」
「心の底からゴメンナサイ」
 俺はもう一回床に頭をつけた。

 とりあえずあのボス戦の後俺は寝袋に包まれて本部まで運ばれたらしい。誰も起こしてくれなかったと言う事で俺は少し落胆した。ただリーシャの態度を見る限りそれは仕方の無い事の様にも思う、確かにアレは軽率ではあった。それでも後悔はしないが。
「ただこの山見るとやんなきゃ良かったとも思うぜ……」
 俺の目の前に積み上げられたのは山の様な紙の束。実はSAOにも紙と鉛筆は存在して…と言っても後者は筆ペンだが…書類仕事と言うのも存在するのだ。ただ切り込み隊長が本職である俺にはこれは苦痛でしかない訳で……
「休憩貰えません?」
「貰えると思うんですか?」
 逆に質問されてしまった。ここで貰えると思う、と口にしたらどうなるのか。世紀の大実験を試みた瞬間、液体窒素の目線のシャワーを浴びた。闘志の炎も瞬間冷却されて泣く泣く俺は書類に戻る。勝てる気など微塵もしない。
「大変そうだな、副団長」
 突然後ろからそう声をかけられた。言葉の字面だけ見れば俺を心配している様に聞こえるがこの声色は絶対に面白がっている声だ。案の定振り向いて俺が目にしたのはニヤニヤと笑う赤毛の斧槍(ハルバード)使いだった。
「そう思うなら手伝ってくれよランディ」
「やーだね、俺は書類苦手だし」
「俺も苦手だよ」
「ご愁傷様だな」
 そう言って笑いながら去って行ってしまった。俺に差し伸べられる救いの手は……そう思って周りを見るとそこにいた全員が俺からサッと目を逸らした。
「くそ!俺の部下はどいつもこいつも上司泣かせな奴ばっかりだ!」
「無駄口叩いてると終わりませんよ」
 結局俺は三時間ほどリーシャの監視付きで机に拘束されていた。そして終わったときにはリーシャにある質問を投げかけたくなっていた。
 お前は教育ママか。

 どうやら俺が書類と格闘している間にアスナがギルドに一時脱退を願い出ていたらしい。それだけなら良かったのだが……
「ヒースクリフ団長がキリトとデュエルするだと?」
「ええ、アスナ副団長の一時脱退の条件としてそう出しました」
 そう俺に報告した少年は、俺が純朴と言う
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