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マスコットから見た日本シリーズ
第二章
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 試合がはじまった、オリックスはもうあっちが予告した通りに絶対のエースが出て来た、しかし僕は安心していた。
 マウンドに向かう奥川投手に頑張ってね、と声をかけた。すると奥川投手は僕に任せてよとにこりと笑って言ってくれた。その時の奥川投手の笑顔そしてマウンドに向かう背中がとても大きくて頼もしかった。
 奥川投手は力投してくれた、あちらが有利で打たれるとかいう下馬評を覆して見事投げてくれた、それに応えてくれるのが今のヤクルト打線だ。
 六回表遂に中村選手がやってくれた、敵のエースのボールをセンター前に打って先制点を挙げた、僕はベンチに帰還した山田選手を笑顔で迎えた、この時の山田選手の笑顔も忘れない。
 八回は村上選手がツーランを打ってくれた、もう僕はこれで試合は勝ったと思った。けれど九回裏残念ながらマクガフ投手が打たれてしまった。
 痛いサヨナラ負け、殆どの人がこう思っただろう。けれど僕は打たれてマウンドからベンチに帰ってきたマクガフ投手を迎えて大丈夫だよ、と言ってあげた。するとマクガフ投手は今日は御免と言いながらもだった。
 次に投げる時は任せてと言ってくれた、見ればマクガフ投手の目は死んでいなかったし身体から発せられるオーラは強いものだった。
 僕は次の試合は絶対に抑えてくれるとわかった、だから皆にも明日勝とうと言った。すると皆僕に明るい笑顔で勿論だよと答えてくれた。
 野球には真剣で一丸となってそれでこそいつも笑顔で前向きで明るい。それがヤクルトのいいところだ。そのいいところは健在だった。
 そして高津監督も今日の敗北に落ち込んでいなかった、物凄く落ち着いてまた明日戦おうと言ってベンチを後にした。
 僕は三塁ベンチから球場全体を見た、見ればファンの人達も隣にいるつば美も敗北に項垂れていても気を取り直してまた明日となっていた。この切り替えの速さ、前向きさに僕は心から喜んだ。
 また明日だ!僕自身こう思った、そうして僕もベンチを去った。
 次の試合監督はシーズン途中から活躍した高橋投手をマウンドに送った、相手はシーズン十三勝なのに対して高橋投手は四勝、格が違うだのあちらから笑い声が聞こえてきたが僕はそれは高橋投手を見てから言うんだねとつば美と一緒に笑って言った。
 高橋投手は頑張ってくれた、相手がどれだけ攻めてもホームを許さない、マウンドの雄姿は惚れ惚れする位だった。
 打線の皆は六回までは為す術もなかった、けれど僕はわかっていた。皆はきっとやってくれると。そして八回思えにだった。
 ずっとチームを引っ張ってくれてメジャーでも活躍した青木選手がやってくれた、センター前ヒットで西浦選手をホームに返してくれた、僕はこの時西浦選手を心から抱き締めた。相手が誇る十三勝のピッチャーを見事打ってくれた。
 そして九回今度はオスナ選手が打って
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