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厳しい家から
第二章

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「それで子供の頃から」
「五時に起きるんだ」
「十時に寝まして」
 それでというのだ。
「家事それに学校の予習復習をしていました」
「凄いね、それは」
「いけませんか」
「悪くないよ、ただ遅刻しなかったら何時に起きてもいいよ」
 夫はこう妻に話した。
「そうしてもね」
「そうですか」
「そう、そしてね」
 それでと言うのだった。
「別に堅苦しくなくてもね」
「いいですか」
「うん」
 そうだというのだ。
「僕はそうしたこと言わないから」
「言われないですか」
「楓風さんがそうしたいならいいけれど」
 それでもというのだ。
「絶対に五時に起きて何かしろとはね」
「そうなのですか」
「一切ね」 
 楓風に笑顔で話した。
「だから落ち着いてね」
「そうしてですか」
「やっていってね」
「そうしていいですか」
「別にね」
 こうもだ、貴也は言った。
「そんなことしなくていいよ。最低限のことをしていれば」
「それでいいのですね」
「うん、そういうことでね」
 こう言って五時起きでなくてもいいとした、楓風はそれでも五時に起きて家事や趣味の勉強をして夫を起こして朝食も出して送り出して。
 家では見付けた在宅の仕事に励み二人が住んでいるマンションの部屋はいつも奇麗にしていた。それは風呂場もトイレもで。
 毎日休日もそうしている妻に夫はまた言った。
「休日でもなんだ」
「はい、お掃除はです」
「休みなしなんだ」
「お父様とお母様にそう言われていたので」
 その様にしろとだ。
「ですから」
「それでなんだ」
「女性はです」
 それならというのだ。
「そうしていつも奇麗にしておく」
「そう言われて」
「幼い頃からです」
「お部屋の中をいつも奇麗にしているんだ」
「はい」
「そうなんだ、ただね」
 夫はまた妻に言った。
「別にね」
「ここまではですか」
「奥さんがそうしたいならいいけれど」
 それでもというのだ。
「やっぱりね」
「しなければならないということはですか」
「ないよ」
 こう言うのだった。
「だからね」
「そうなのですね」
「僕は細かいとこは言わない主義で」
 それにというのだ。
「厳しいこともね」
「言われないですか」
「ああしなければならないとかね」
 そうしたというのだ。
「それにこうしなければならないとかもね」
「言われないのですね」
「うん、お料理もね」
 こちらもというのだ、見れば。
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