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Fate/WizarDragonknight
限られた命
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く掠め取り、その威力を引き上げていく。
 やがてガタノゾーアの甲殻さえも、一か所。ほんの一か所だけ、ヒビを入れた。

「通った!」
「うむ! 確かに硬いが、倒せない相手ではない!」

 煉獄の言葉を合図に、ウィザードはともに飛び上がる。

『フレイム スラッシュストライク』
「炎の呼吸」

 二人の炎が、それぞれの刃に走る。
 だが。

 ガタノゾーアは、その危険性をすでに理解していた。
 太い触手を操り、空中の二人を打ち落とす。

「さあ、今だ。ガタノゾーア!」

 トレギアの合図に、ガタノゾーアがウィザードを睨む。

「……やばい!」

 だが、すでに遅い。
 ガタノゾーア、その逆さまな顔で、起き上がる途中のウィザードへ光線を放つ。
 頭の、少し上の部分に起こる紫の発光。
 それは、ウィザードへ真っすぐと伸びていった。

「いかん!」

 それは、煉獄の叫び声。
 倒れているウィザードを掴み、即座に投げ飛ばす。

「なっ……!?」

 唖然とする暇などない。
 ウィザードの盾となった煉獄へ、紫の光線が貫く。

「っ!」

 その一撃に、煉獄は大きく目を見開いた。

「煉獄さん!」

 すでに、ウィザードの悲鳴は役に立たない。
 闇が煉獄の体、それを包む炎が、どんどん消えていく。
 炎柱の姿は、やがて。

「何……っ!?」

 煉獄の炎が、一瞬で消滅していく。
 その腕が、血の通わぬ灰となり。
 その顔が、驚愕のまま浸食され。

「あっはははははは! はははは!」

 その一部始終を、腹を抱えて見届けるトレギア。
 やがて煉獄の姿は、灰色一色___まさに、石像となってしまった。

「これなら、永遠に今のままだ。君が言う、人間の脆さはない、今の美しさだけでいられる。人間の強さは素晴らしいね。他を狙えば自分から来てくれるんだから」
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