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役立たずが家に来て
第三章
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「お母さん何で叔母さんあんなに怒るの?私にあんなこと絶対にしないのに」
「コチやポコにもね」
 父は娘に話した、家にいる茶色の雄のポメラニアンと雄の白黒の八割れの顔をした元野良で家の庭で弱っていて春奈が助けて家に入れた猫の名前を出して。
「あんなことしないね」
「凄く優しいのに」
「お母さんは叔母さんが嫌いなんだ」
 父は俯いてこうも話した。
「だからなんだよ」
「あんな酷いことするの?」
「うん、ずっと叔母さんに酷いことをされたからね」
「それでなの」
「あれは仕返しなんだ」 
 長年の怨み、憎しみを返しているというのだ。
「そうなんだよ」
「叔母さんを怒ってないの」
「うん、ずっと叔母さんに酷いことをされていたから」
「今度はお母さんがそうしてるの」
「お父さんもお母さんが何をされたか知っているよ」 
 娘に悲しい顔で話した。
「だからお母さんはね」
「仕返しをしているのね」
「和香も嫌なことをされたら怒るね」
 娘にこうも言った。
「そしてやり返したくなるね」
「うん」 
 その通りだとだ、和香は答えた。
「私もね」
「お母さんも同じだよ」
「けれど先生言ってたよ」
 幼稚園の先生がとだ、ここで和香は父に眉を曇らせて話した。
「人は許さなくちゃいけないって」
「酷いことをされてもだね」
「仕返ししたくても」
 それでもというのだ。
「相手の人が悪いことしたって思ったり何も出来なくなったら」
「そう言われたんだね、先生に」
「叔母さん今何か出来るの?」
「出来ないよ」 
 鬱病になって最低限の生活が出来る程度だ、必要な時以外は自分の部屋から出ない引き籠り状態だ。もっと言えば最近姉の虐待を恐れて前以上に部屋から出なくなっている。もう身体のあちこちは痣と傷だらけになっている。
「何もね」
「だったらお母さんあんなことしたらよくないよ」
「和香はそう言うんだね」
「うん、それにね」 
 和香はさらに言った。
「叔母さんを殴ったり蹴ったりしてる時のお母さんのお顔凄く怖い」
「どんな顔になってるのかな」
「鬼みたい」
 娘として率直に言った。
「怖くて酷いことばかり言って」
「それでだね」
「鬼みたい、あの時のお母さん凄く怖い」
「お父さんも同じだよ、そう思うよ」 
 妻の過去のことを知っていて気持ちもわかる、それでもだった。
「あの時のお母さんはね」
「凄く怖いよね」
「うん、じゃあ皆でお母さんに言おうか」
「叔母さんに酷いことしないでって」
「そうね」 
 父と娘で話してだった、そのうえで。
 二人で春奈に夕食の後で話した、まずは夫が言った。
「夏樹さんのことは知ってるけれどもう暴力は止めたらどうかな」
「あいつは私にずっと酷いことしてきた
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