第二章
[8]前話
「これを隠していたのね」
「そうだったんだな」
「これは密輸ですね」
弥永は二人に問うた。
「金を持ち込む際のお金を誤魔化す為の」
「くっ、それは」
「そのことは」
「すぐに警察に連絡しますので」
弥永は悪事が露呈して苦い顔になる二人に告げた。
「そこで大人しくして下さい」
「まさかばれるとは」
「何ということだ」
二人は遂に自分達の悪事を認めた、そうしてだった。
警察に連行されていった、その後でだった。
楓は弥永にこう言った。
「帽子をしているとわかりませんでした」
「そうだね、けれどね」
「ああした隠し方もあるんですね」
「鬘に隠してね」
「それでその上に帽子を被って」
「二重のカモフラージュをね」
それを行ってというのだ。
「そうしてだよ」
「誤魔化すんですね」
「あのままだとチェックの誤作動ということでね」
「終わっていましたね」
「どうしても見付からないから」
だからだというのだ。
「だからね」
「それで、ですね」
「そうなっていたよ。悪いことをしようと思ったらね」
「ああしたやり方もあるんですね」
「あらゆるやり方を思いついて実行するから」
「私達も注意しないといけないですね」
「今回は黄金だったけれど」
「そればかりじゃないですね」
「宝石もあるし麻薬もね」
「ありますね」
「それで武器もね」
これもというのだ。
「あるから」
「注意しないといけないですね」
「そう、だからね」
「これからもですね」
「注意してね」
そのうえでというのだ。
「この仕事をやっていってね」
「わかりました、こんなこともあるんですね」
「悪人はあらゆる悪知恵を企んでね」
「やってくるんですね」
「そう、私達はそれを防ぐことが仕事だってね」
「わかってですね」
「やっていこうね」
「わかりました」
楓は弥永の言葉に確かな声で頷いた、そうしてだった。
この時からも税関職員の仕事を頑張った、悪人はあらゆる悪知恵を企んで実行して来ることを頭に入れて。この日のことを忘れないでそうしていった。
頭の中の秘密 完
2021・12・20
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