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健康なせいで
第四章

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「ユーチューブの視聴回数もかなり」
「そうだな、だからな」
「それで、ですか」
「このままいくぞ」
「それで今度はですか」
「ルーマニアだ」
 この国に行ってもらうというのだ。
「いいな」
「わかりました」
「安心しろ、吸血鬼は実在するが」
「えっ、実在するんですか!?」
「するぞ、退治する人はいるしな」
 八条は驚く里穂に明るく笑って答えた。
「ヴァンピールの人達がな」
「そうだったんですか」
「実際に軍隊が調べた記録もある」
「本当にいるんですか」
「妖怪がいるんだ」
 それならというのだ。
「吸血鬼だってだ」
「いるんですか」
「そうだ、心霊番組の出演も決まっているが」
 これも八条が入れた仕事だ、所属事務所のタレントの仕事は積極的に入れている。どんなタレントにもそうする『いい』社長ではある。
「幽霊だっているだろ」
「幽霊は私もいると思いますが」
「吸血鬼はだな」
「いるんですか」
「そうだ、だが安心するんだ」
 吸血鬼がいてもというのだ。
「ちゃんとスタッフの人達がいて大蒜や十字架も持って行くからな」
「だからですか」
「安心して行ってくれ」
 こう言って里穂をルーマニアに送り出した、そしてルーマニアでも仕事をし。
 心霊スポットも巡った、だが。
 ここでだ、幽霊の存在を信じる里穂は気付いたことがあった。
「あれっ、本当に危ない場所は」
「とんでもない怨霊がいる場所はだね」
「行かなかったですね」
 マネージャーに仕事の後一緒に夕食を居酒屋で摂りつつ言った。
「そうでしたね」
「本当に危ないお話もあるからね」
「京都なんか多いですね」
「あれだよ、あわわの辻とかね」 
 マネージャーは古典にも出て来る話もした。
「あと早良親王も」
「桓武天皇の弟君の」
「怨霊は本当にね」
「危ないものはですね」
「洒落になっていないんだ」
「そうですよね、それで」
「実はテレビ局からそうした場所にも行ってもらおうってね」
 マネージャーはソーセージを食べつつ話した。
「話が出たんだ、大阪とかのね」
「そうだったんですか」
「けれど社長は君を行かせないって言ってそうした場所に誰かを行かせること自体も」
「反対されたんですか」
「洒落になっていない場所は番組に出す自体がね」
 その時点でというのだ。
「駄目だってね」
「そう言われてですか」
「提案したプロデューサーにね」
「没にしてもらったんですか」
「何処とは言わないけれど」
 その本当に恐ろしい場所はというのだ。
「事務所がある大阪にもあるからね」
「あるんですか」
「あるよ、言えない位やばいから」
 マネージャーは箸を止めて話した。
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