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僕は 彼女の彼氏だったはずなんだ 完結
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 それから、しばらくして、清音が田中のおばあちゃんと一緒に、店に来た。清音が後ろから、腕を組むというか、支えるようにして、店に入ってきた。

「田中さん 清音も・・ いらっしゃい」

「最近 美鈴さんが来てくれないから、食べたくなってね 清音ちゃんに付き合ってもらったの」

「ごめんなさい 私 気をきかせたつもりだったんですけど すみません」

「いいのよ お陰で、清音ちゃんが こうやって、付き添ってきてくれるから」

 私は、まだ、清音には、気楽に声を掛けれなかった。それは、向こうも同じなんだろう。田中さんは、オムレツとクリームコロッケ、清音はハンバーグとクリームコロツケを注文してきた。田中さんのは、シニァメニューだ。

 清音は、しきりに、調理場のほうを見ていた。お父さんを見つけたいのだろう。

 料理ができるまでの間、舞依ちやんも、ふたりのほうをしきりに見ていた。

「舞依ちやん あんまり、じろじろ見ていたら失礼よ」と、私が注意すると

「店長 あの子 似てるんですよね 店長に・・ 気づきました?」

「そうよ 当たり前じゃぁない」と、少しして、料理が出来上がったみたいで、私は、お父さんの側に行って

「お父さん あそこに、清音が来ているのよ このハンバーグ、清音が注文したの お父さん 持って行ってあげて」

「清音か 本当なのか 会えるのか」

 私が、田中さんの分を出して、お父さんは清音の分を厨房から持って行った。

「お父さん」と、清音は言ったきり、出されたハンバーグを見つめていた。

「清音 やっぱり 清音だ 元気で良かった きれいになったなー」と、お父さんが言った時、清音はお父さんの手を両手で握り締めて

「お父さんも元気になってくれて・・ ウチ 何にも お父さんのこと、お姉ちゃんに、任せっきりで・・ごめんなさい」清音は泣き出していたが

「清音 何を言っているんだよ お前だって、苦労したんだろう ほらっ、もう、ワシは、この通り、元気でやっているよ」と、清音の背中をポンポンと叩いていた。

「良かった これ、お父さんのハンバーグ 久し振りだねよ 又、食べられるんだ うれしい」

「あぁー うまいぞー 追加しても良いから、ゆっくり、食べてくれ」

 お父さんが、厨房に戻る時、涙を拭いているような仕草が見えた。私も、涙が滲んできていたんだけど、舞依ちゃんが側に寄ってきて

「あの人 店長の妹さんなんですかー あの うわさの あの向かいの人、店長のおばあさんですか?」と、聞いてきたが、私は、答えられなかった。ただ、うなずいていたのだ。田中さんもハンカチを清音に渡しながら、何か言っているようだ。清音はハンバーグを口に運んでいたが、それでも、涙が止まらないようだった。

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