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俺様勇者と武闘家日記
第2部
テドン
旅の真意
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「フェリオって……。『疾風のフェリオ』とかって呼ばれてませんでしたか!?」
「ええ、たしかそういう通り名があったと言っていたような……」
「その人っ、私の師匠だった人です!!」
「落ち着け。引いてるぞ」
 一気にまくしたてる私に対し、冷静に諌めるユウリ。途端、私の顔は熱湯を浴びたかのように赤くなる。
「ご、ごめんなさい。驚かせてしまって」
 そういって、慌てて椅子に座り直す。だけど、今の話を聞いて驚かずにはいられなかった。なぜなら、今までそんな話を師匠から一度も聞いたことがなかったからだ。
「あなたの師匠なら、オーブのことはご存じだったのかしら?」
「いいえ。オーブどころか師匠がサイモンさんの仲間だったという話すら、一度も聞かされていませんでした。何も言わないまま、師匠は二年前に亡くなったんです」
「そうですか……」
 カリーナさんは悲しそうに頷く。一方の私は、カリーナさんから明かされた師匠の秘密について、冷静に考えていた。
 どうして師匠は自分がサイモンさんの仲間だと言わなかったのか。それはきっと、誰かに話してしまえば、自分が持っているオーブの存在に気づかれてしまうのではないかと危惧していたからに他ならない。ということは、今もまだカザーブのどこかにオーブがあるのだろうか? けれど師匠のお墓には、彼が生前愛用していたとされる『鉄の爪』の武器一つしかなかった。その存在を知っていたお母さんも、他に何か入っていたということは聞いていなかったし、もしや別の場所にあるのかもしれない。
 でも、今ここでいくら考えてもわからない。それならあとでユウリに相談してみた方が良さそうだ。
「そういえば、ちょうどテドンが襲われる前だったかしら。あなたたちよりは年上だったけど、若い新婚夫婦がここを訪れたの」
 話題を変えたカリーナさんの言葉に、ユウリの眉がぴくりと上がる。
「なるほど。テドンの奴らが反応していたのは、そいつらだったのか」
「二人ともとても優しそうで……とくに女性の方は、とてもきれいな長い銀髪をしていたわ。それでその人たちに、いきなりこれを渡されたの」
 そう言うとカリーナさんは、近くにある戸棚から、古びたランプのようなものを取り出した。
「何ですか? これ……」
「私もよく知らなくて……。でもその女性は、もし次に勇者と名乗る人物がここを訪れたら、このランプを渡してほしい、って言っていたの」
「随分具体的な要望だな。どうも怪しい」
 確かに怪しい。けれど、テドンでの様子を見る限り、その夫婦が悪い人たちにはどうしても思えなかった。
「そもそもこれ、何に使うんだ? 使い方がわからなければどうすることもできないが」
「さあ……。私もあの時、あまりにも突然だったので、ただ黙って受け取るぐらいしかできなくて……」
 そう言うと、カリ
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