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一年かけて家族に
第一章

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                一年かけて家族に
 アメリカミシガン州に仕事の関係で引っ越してきたヌーベル=レックス黒い髪と黒い目の端整な白人の青年である彼は引っ越してからそこで早速知り合って親しくなったエミカ=ハナザワ茶色の髪をボブにしている黒い目のアジア系の一六〇位の背の女性に笑顔で言われた。
「この辺り猫が多いのよ」
「そうなんだ」
「だkら可愛がってあげてね。私も飼ってるし」
「だから言うんだ」
「そう、七匹ね」
「それはまた多いな」
「主人と子供達も好きだから。それで野良の子も多いの」
 エミカはレックスにこのことも話した。
「そのこともわかってね」
「うん、僕も猫好きだし」
 レックスはエミカにこう返した。
「世話をするよ。飼うこともね」
「するのね」
「考えてるよ」
「それはいいことね。人にも生きものにも優しく」
「そうしないとね」
「それが人のあるべき姿よ」 
 エミカはこうも言った、そしてだった。
 レックスはこの地域で住みはじめた、すると。
 妻のエリー青い髪と黒い髪で丸顔で少しふっくらとした彼女が家の窓の外を見てレックスに対して言ってきた。
「猫がいるわよ」
「あっ、そうだね」 
 レックスもその猫を見て言った。
「チャトラの」
「野良猫かしら」
「そうかな、この辺り多いしね」
 住んでみれば実際にそうだった。
「それじゃあ」
「野良猫も多いし」
「うちの庭に入ったんだろうね」
「そうね」 
 こう話した、そしてだった。
 この時は二人でその猫を見ただけだった、だが。
 暫く経ってまたその猫が来た、すると。
「随分痩せているな」
「そうね」
 夫婦で庭に来た猫を見つつ話した、見ればその猫は前に見た時から随分と痩せていた。
 その様子を見てだ、レックスは言った。
「ご飯あげようか」
「痩せてるし」
「このままじゃ心配だしね」
 だからだというのだ。
「そうしようか」
「そうね、それじゃあね」
「ここはね」
 妻と話してだった。
 レックスはツナ缶をボールに入れて猫に出そうとした、しかし。
 猫は彼を見ると逃げ出した、それでだった。
 置いたままにすると翌朝にはなかった、それで妻は夫に言った。
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