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オズのラゲドー氏
第五幕その四

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「栗鼠を見ると珍しくてね」
「今みたいにですね」
「嬉しいんだ」
「そうなんですね」
「うん、オズの国は自然が豊かで」
 こうも言うのでした。
「色々な景色や生きものが見られて」
「それで、ですね」
「嬉しいよ」
 本当にというのです。
「だから旅も好きなんだ」
「オズの国のあちこちをそうすることも」
「そうなんだ、征服なんかしなくても」
 オズの国をというのです。
「充分以上にだよ」
「楽しめますか」
「そうだからね」
 それでというのです。
「わしはだよ」
「もう征服とかはですね」
「どうでもいいよ」
 全く、そうした口調での言葉でした。
「一切興味はないよ」
「興味があるのはお食事と旅ね」
「そして宝石だよ」
「その三つね」
「宝石はわしが行くところには絶対にあるよ」
「そうなの」
「すぐに見付けることが出来るんだ、ほら」
 笑顔で言うとでした、ふと。
 一行は足下に三センチ位の大きさのトルコ石を見付けました、一見すると只の石でしたが前ノーム王が手に取って取り出した布で磨きますと。
 すぐに奇麗なトルコ石になりました、前ノーム王はそのトルコ石を見せてそのうえでナターシャ達に言いました。
「あったね」
「うわ、本当ですね」
「それトルコ石じゃないですか」
「まさかこんなところにあるなんて」
「一見すると只の石だったのに」
「トルコ石だったんですね」
「そうだよ」
 実際にというのです。
「ノームは宝石を見付けられて」
「そしてですか」
「磨くとですか」
「奇麗な宝石になる」
「そうなんですね」
「ラゲドーさんはそうされると」
「ノームだからね」 
 それでというのです。
「普通の石と宝石を見分けられて」
「磨けば」
「それで、ですね」
「その石が宝石になる」
「そうなんですね」
「ラゲドーさんの場合は」
「そうだよ、さてこれはどうしようかな」
 そのトルコ石を見ながら言います。
「一体」
「貴方が拾って磨いたから貴方の好きにすればいいわ」 
 トロットは宝石を手にしている前ノーム王に笑顔で言いました。
「そうすればね」
「それでいいんだね」
「私はそう思うわ」
「だったらね、これもお家に持って帰って」
「そしてなのね」
「飾るよ」
 そうするというのでした。
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