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星河の覇皇
第七十九部第二章 観戦武官達の動きその三十一

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「止める、そこにあるものはだ」
「法律であり理性ですね」
「心ある力だ、それがだ」
「軍隊の力ですね」
「暴力とは違う、暴力を振るうのはだ」
「そうした権力者かですね」
「ヤクザ屋さんだ」
 つまり碌でもない連中だというのだ。
「そうした連中が振るうものでだ」
「力としては」
「決して振るってはいけない」
「そういうものですね」
「そうした輩を丸腰にして」
 暴力を他者に好き好んで振るう様な輩をとだ、八条は否定する目で述べた。
「そして恐竜の前に出せばいい」
「何も出来ず震え上がるばかりですね」
「そうなるだけだ」
「そうしたものですね」
「しかし武力は違う」
「武力を使う者は」
「そこに理性もあるからな」
 だからだというのだ。
「若し目の前に恐竜が出てもだ」
「素手の時に」
「怯えはするかも知れないが」
 それでもというのだ。
「そこには毅然としたものがある」
「普段の暴力はどうしたとはですね」
「言われない」
「左様ですか」
「だからだ」
 それでというのだ。
「暴力を振るう輩と武力を持つ者は違う」
「同じ力ということで錯覚されても」
「違うのだ、そして軍隊が持っている力は武力でだ」
「みだりに使うものではないですね」
「決してな」
 由良に対して言い切って述べた。
「法律と理性に従ってだ」
「行使するもので」
「私もだ」
 八条自身もというのだ。
「そのことは弁えているつもりだ」
「だからですね」
「武力を用いる立場でもだ」
 国防長官、連合中央政府軍の責任者としてもというのだ。
「戦争は好きではなくだ」
「そうしてですね」
「みだりに戦わずな」
「戦争自体もですね」
「好きではない、災害もだ」
 これもというのだ。
「起こってしまうものだが」
「起こらないに越したことはないですね」
「決してな」
 こう言うのだった。
「それだけ不幸なことだからな」
「軍隊が必要とされる時は有事で」
 由良も言った、有事と言っても様々で戦争だけでなく災害に対してもそうであるのだ。このことはこの時代でも同じだ。
「市民にとっては不幸ですね」
「まさにそうだな」
「だからですね」
「そうだ、武力を用いる時はだ」
「不幸な時であり」
「私はそれ自体がないことをな」
 まさにというのだった。
「願っている」
「左様ですね」
「そしてだ」
 八条はさらに言った。
「今のオムダーマンとティムールの戦いもだ」
「楽しんではおられませんか」
「戦術戦略は学べるだろうが」
 国防に欠かせないこうしたことはというのだ。
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