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私の中に猫がいる 完結
3-?
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 「プチ 私 舜と旅行行ってくるね お泊りだけど」

「おお 覚悟決めたのか」

「そんなんじゃぁないけど 場合によっては、もう、いいかなって思ってる」

「可愛いの 身に着けて行けよ もちろん、俺は行けないけどな 幸せにしてもらいな」

 車で行くので、近くの公園まで来てもらうことにした。家の者に会わすのは、まだ、抵抗があったのだ。

 「チッチの体力が無いので、坂の上からしか見送れないよ」と言うプチに見守られて、坂道を降りて行った。天気も良く、暖かい日だった。瀬戸内海の牛窓のオリーブ園に行くという予定だ。舜の会社では、取引が無いんだけれども、うまく行けば、挨拶程度はするつもりだと言って居た。待ち合わせの時間通りに舜は来てくれて、乗り込んだ。

「家の人には、泊まるのなんて言ってきたの?」

「会社の人と遊びに行くって 私、そんなこと、今まで無かったから・・ お母さんが、しくこく聞いてきてね、あんまり、賛成じゃぁなかったみたい でも、初めて、うそついちゃった」

「それは、申し訳なかったね それより、泊まりなんて、君がよく承知してくれたと思ってさ でも、後悔させないようにするから」

「いいのよ それより、楽しみ 行ってみたかったんだ 日本の地中海でしょ」

「うん 今日は天気が良いし、海もきれいだと思うよ」

 有料道路とかを走って、お昼前に一本松の展望園という所に着いていた。

「昼ごはんでも、食べようか 景色もいいところだからね」と、言って、車を停めた。遠くに海が見えるけど、展望園と言うわりにはなぁと、私は、少し、不満だった。と言うのも、もっと車から走る景色に海を期待していたんだけど、これまで、山ん中が多くって少し、うんざりしていたからだ。と、言うより、私、車ってあんまり好きじゃぁ無いみたいって初めて感じた。お昼もあんまり、食べたいものもなかったし、夜のご飯に期待していたので、ハンバーグとコーヒーだけにした。

 それでも、オリーブ園に着いた時には、素敵って思っていた。瀬戸内海の島もはっきり見えるし、海も光っていた。たくさんのオリーブの樹が植わっていて、実はもう収穫が終わったのか数個しか付いていなかったが・・それでも、下草もちやんと管理されているので、歩きやすくって、私は走りまわっていたのだ。写真も撮りまくっていた。

「すずり そんなに、走ると転ぶよ 時間はあるんだから、ゆっくりね」

「うん でも 開放的で、素晴らしいわ ひとつひとつの樹の表情も違うのよ 楽しくって」

「なんか 猫が野っぱらで遊んでいるみたいだよ」

 私が、散々楽しんだ後、ヨットが並んでいる港の側にある白壁のホテルに入った。そろそろ夕陽になろうかという時間で、何だか、本当に外国の港町に来たような風景だった。
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