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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
最終話 温もりその六

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「やっていこうね」
「二人でね」
「そうしていこうね」
「わかったわ」
「じゃあ寒いし」
 かなり冷えてきた、そのお陰で酔いも醒めてきた。
「帰ろうか」
「そうね、それで今日はね」
「もう寝よう」
「ええ、そしてね」
「また明日ね」
「そうしましょう」
「それじゃあね」
 ここでだ、僕は。
 無意識のうちに香織さんの右の手首を自分の右手で握った、そしてすぐに気付いて香織さんに尋ねた。
「いいかな」
「握るんじゃなくてつなごう」
 香織さんは僕に微笑んでこう返した。
「そうしましょう」
「つないでいいんだ」
「だって私達付き合ってるから」
 だからだというのだ。
「もうね」
「そうしていいんだね」
「まだ手をつなぐ位だけれど」
「これからは」
「少しずつね」 
 僕に微笑んだまま話してくれた。
「先にね」
「進んでいけばいいね」
「だからね」 
 それでというのだ。
「今はね」
「手と手をつないで」
「それで帰りましょう」
「それじゃあね」
「そうしたら」
 香織さんは微笑んでさらに言った。
「温かいしね」
「そうだね、手と手の温もりが伝わって」
「そうなるから」
「余計にいいね」
「人が誰かと一緒にいるのは温もりが欲しいから」
 ここでこんなことも言った。
「そうも言うし」
「そういえばそうも言うね」
「だからね」
「今は」
「今からね」
「あっ、これからも」
「そうしていきましょう」 
 手をつなごうというのだ。
「そうしましょう」
「うん、じゃあ一緒に」
「帰りましょう」
 笑顔で話してだった。
 僕達は手首を持っている状況から手をつないだ、僕の左手と香織さんの右手がそうなった。そして。
 香織さんは寒さの中で白い息を出しつつ言った。
「とてもね」
「温かい?」
「ええ」
 そうだと言ってくれた。
「今はね」
「そうなんだね、僕もね」
「温かいのね」
「凄くね、香織さんの温もりが伝わってくるよ」
 それが直接だ。
「それでね」
「私も。義和の温もりが伝わって」 
 香織さんもだった。
「凄くね」
「温かいんだ」
「ここに来た時は一人だったけれど」
 それがというのだ。
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