第三百四十一話 八条荘に帰ってその十一
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「それでだ」
「巨人の人気が出たんだね」
「ヒトラーやスターリンと一緒だ」
「マスメディアを使って思いきり宣伝して」
「人気が出たんだ」
「そういうことだね」
「巨人軍大鵬卵焼き」
親父はこの言葉も出した。
「当時の子供の好きなものだ」
「昭和三十年代かな」
「ああ、そうなったのはな」
「マスメディアだね」
「子供が読む漫画でもな」
「巨人が主役だったね」
「これだとナチスやソ連でもヒーローになるんだ」
彼等がそうした様にだ。
「だからな」
「それで巨人は戦後人気があったんだね」
「漫画でもそうでテレビの実況だとな」
「巨人の試合ばかりだったね」
「これだともうな」
それこそというのだ。
「巨人ファンも多くなるさ」
「そうなることは自明の理だね」
「しかしもうな」
親父の口調が変わった、ここで。
「テレビや新聞よりもな」
「今はインターネットだからね」
「そっちが主になって野球もだ」
「ネットで観られるしね」
「それでテレビや新聞から離れてるだろ」
「野球だけじゃないしね、これって」
「ああ、それで十二球団どのチームの試合も観られる」
インターネットだとだ。
「もうそれだとな」
「自然と巨人の人気が落ちるね」
「そしてネットで巨人の悪事が知れ渡った」
これが非常に多い、まるで北朝鮮の如くだ。
「だったらな」
「さらに人気が落ちて」
「親会社もな」
「そのマスコミだからね」
「どんどんな」
それこそというのだ。
「親会社のバックアップもなくなった」
「親会社もアップアップじゃあ」
「助けられるか」
巨人をだ。
「無理だ」
「出来ても少しだね」
「今はマスコミは何処も大変だ」
実は巨人の親会社はましな方だ、捏造記事や捏造報道で知られている会社なんてもう潰れる寸前だ。
「それだとな」
「巨人のお金も減るね」
「当然な」
「親会社もないのに」
「それで宣伝しようにもな」
「今じゃネットの方が圧倒的だし」
「もうな」
それこそというのだ。
「どうしようもないんだ」
「それが今だね」
「今が何でもいいって訳じゃないけれどな」
それでもというのだ。
「マスコミが弱くなって巨人もそうなったことはな」
「いいことだね」
「連中は好き放題やった」
「八条グループもマスコミ持ってるけれどね」
そのテレビ局も新聞社もだ、出版社もある。
「それでもね」
「腐らない様に気をつけてきただろ」
「そうだよね」
「今の総帥さんも前の総帥さんもでな」
「その前の方もだったね」
「代々な」
総帥さん達そしてグループでそうした企業の経営にあたっている一族の人達もだ。
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