暁 〜小説投稿サイト〜
おっちょこちょいのかよちゃん
167 カトリック界の皇后
[1/3]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
 りえ達は一人の女性と相対していた。
「エンプレス・マチルダ?」
「そうよ。私はカトリックの世界でも偉大なる皇后なのよ」
「かとりっく・・・?」
「キリスト教の宗派の一つだよ」
 悠一が説明した。
(キリスト教・・・!!)
 りえは夏休みに静岡県に住む祖母の家にいた時を思い出す。あの時は教会のシスターに頼んでピアノを借りて「亜麻色の髪の乙女」の練習をしていた。杖の所有者やあの杉山を始めとする現地の子と友達になったのもその時だ。
「お前のそれは、杯ね?」
「だったら、何?」
「貰うわよ」
 エンプレス・マチルダはまた使徒の召喚術を使用する。
「させないよ!」
 みゆきがブーメランを投げた。しかし、容易く弾かれた。
「まて、どうやらあの機械の能力(ちから)だろう」
 悠一のテクンカネが発動する。その時、シャクシャインと別に男が二人、現れた。
「お主らか!助太刀に参るぞ!」
「シャクシャイン、その男は?」
「この二人は阿弖流為(あてるい)母禮(もれい)。蝦夷の族長として活躍した者共だ」
「我々も共闘しよう」
「ありがとう」
「そこの女、それは神を呼ぶ道具だな?」
 阿弖流為はありのタマサイに目を付けた。
「ええ、そうよ」
「私達の力を重ねれば倒せるはずだ。母禮、行くぞ!」
「おう!」
 だが、エンプレス・マチルダは怯まない。
「そちらの数が増えたって、この主の12人の使徒は無敵なのだ!意味はない」
 エンプレス・マチルダは再び12人の使徒を召喚させた。
「また手強いのが現れたわねっ!鈴音ちゃん、もう一回、氷を出してっ!」
「う、うん・・・」
 りえに言われて鈴音は錫杖から氷を放出した。りえは杯に氷を吸収させ、氷の精を出した。氷の精霊は青い髪に白い肌、そして白いワンピースを着る女性だった。
「氷の精霊、倒してっ!」
「いいわ!」
 氷の精霊は氷の壁を作り出す。
「そんなんで防御したって無駄よ!」
「煮雪あり、阿弖流為に母禮と共に瞬間移動させる!攻撃はその時だ!」
「うん!」
 シャクシャインは杖を出し、ありと阿弖流為、母禮を瞬間移動させた。
「主、イエスの12人の使徒よ、主に反する者の裁きを!」
 12人の使徒は雷撃を放つ。そして、先程のように飛ばしてきた。

 かよ子達は先を進む。荒野が続いていた。そこには草木が少しあるだけだった。
(こっちの方向に藤木君がいる・・・)
 かよ子達はそう確信して先を急ぐのだった。
「それにしても寂しいとこだなブー」
「うん、でも、いつ現れるか分からないし、私もおっちょこちょいしないようにしないと・・・」
 かよ子達は「神」を操る強者と交戦したり、睡眠中に襲撃されたりと余裕がなかった。そしてかよ子は「あの夢」を思い出す。
(杉山君・・・
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ