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僕は 彼女の彼氏だったはずなんだ 完結
6-?
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 6月になって、僕は仕事の方も慣れてきて、少しは余裕が出てきていた。両親が旅行に行くと言って、留守になるので、夜、久し振りに「ナカミチ」に顔を出してた。

 美鈴は顔を見て、ニコッとしたが、別に話し掛けてくるでもなく、明璃ちゃんが注文を聞いてきた。

「久し振りですよね ねぇ 蒼君 あとで、聞いて欲しいことがあるんだけど・・」と言っていた。

 僕は、ステーキを注文していた。ここのは、すのこ状の鉄板で直火で焼いてあるので、香ばしくおいしいので、好きなのだ。土曜の夜なので、店内は、まだ、家族連れなんかで混みあっていた。僕も、食べ終わる頃、9時半近くになって、小学生位の子供を2人連れた1組の家族が入ってきて、「まだ、大丈夫でしようか?」と聞いていた。応対した、舞依ちゃんが、美鈴の顔を見ていたが、美鈴は、笑顔で

「どうぞ 大丈夫ですよ」と、招き入れていたのだ。確か、10時閉店のはずだが、と僕は思っていたのだが。注文を聞いて、厨房に伝えた時も、晋さんがいつもより、威勢のいい声で答えていた。美鈴の気持を理解しているのだろう。注文の料理を運んだ時も、美鈴は

「どうか、時間は気になさらないで、ゆっくり、お召し上がりくださいね」と、応対していたのだ。

「すみません もっと、早く来るつもりだったんですけど、主人の帰りが遅くなってしまったので」

「そうなんですか ご主人もお仕事お疲れさまでした。いいんですよ 遅くなっても、ご来店いただきまして、ありがとうございます。又、遅くなるようなことがございましたら、ご連絡いただければ、お待ち申しておりますので、どうぞ、ご遠慮なさらないでください」と、美鈴は一礼して下がってきた。それが、美鈴とこのお店のスタンスなんだろうなと僕は、知ったのだ。それに、食べ終える頃、「お飲み物をサービスいたしますから、どうぞ、ゆっくりしていってください」とまで言っていたのだ。

 美鈴は、舞依ちゃんと明璃ちゃんに、もう、あがってと言って居たのだが、二人ともまだ残っていた。最後になった、その家族連れが帰る時、奥さんが

「ありがとうございました ゆっくり、食べれて おいしかったし 遅いし、シャルダンにしようかと言ってたんだけど、ここに来て良かったわ 子供達も喜んでいたし、又、寄せてもらいますね」と、言って帰って行った。外まで、見送りに行った舞依ちゃんが、戻ってきて

「店長 みなさん とても、喜んでいましたよ」と言ってきた。

「そう 良かったわ 晋さんもありがとうね」と、美鈴はお礼を言っていたが、晋さんは、別に反応もしていなかった。

「さぁ お疲れ様 みんな、あがってちょうだい 明日も、お願いね」って、美鈴が言っていたが、明璃ちゃんは僕のそばに来て

「蒼君 聞いて あのね 私、昇二に会いたいから、
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