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落チューバー
第二章
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「言うまでもないですね」
「落語ね」
「月女さんは落語家ですから」
「落語をすべきね」
「落語は面白いですね」
「面白いからやってるのよ」
 落語家になっているとだ、治美は答えた。
「なったし」
「学生時代からでしたね」
「落研に入って」
 落語研究会、部活のそれにというのだ。
「そしてね」
「入門されて」
「落語家になってね」
「今もですね」
「そうよ」
「でしたら」 
 目を光らせたままだ、睦子は治美にさらに言った。
「落語をすべきです」
「面白いと思うからこそ」
「実際に面白いですね」
「断言するわ」
 落語家としてというのだ。
「それは」
「そして面白いなら」
「注目されて」
「大人気になります」
「後は私の腕次第」
「もう答えは出ていますね」
「それじゃあ」
 治美はマネージャーである彼女の言葉に頷いた、そうしてだった。
 ユーチューブに登録してそこで落語をした、自身のブログやツイッターでも宣伝をしたが兎角だった。
 落語の勉強と稽古をこれまで通りしてだった。
 動画にあげる話も選んであげていった、上方落語のそれをしていった。最初は再生数も登録者も少なかったが。
 徐々に増えて一万人を超えて動画一つ一つの視聴数も十万を超える様になった、治美はユーチューバーとして成功を収めた。
 それで社長も喜んだがここでだった。
 治美は睦子に彼女の家で一緒にビールを飲みつつ話した。二人共一人暮らしで家は近くプライベートでもよく飲みながら話しているのだ。
「落語家がユーチューブやるなら」
「はい、やっぱりです」
「落語をやることね」
「他にやることはあるか」
「ないわね」 
 治美の返事は一言だった。
「もう」
「そうよね」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「睦子さんも勧めてくれたのね」
「落語家が体当たりのパフォーマンスや漫才をしても」
「本分じゃないわね」
「やっぱりですよね」
「落語ね」
「落語家なら」
「ですから」
 それでというのだ。
「私もです」
「それしかないと思って」
「勧めたんですよ」
「そういうことね、確かに落語家が一発ギャグとかをしても」
 治美は飲みつつ述べた。
「やっぱりね」
「違いますね」
「そうよね、じゃあこれからも」
「ユーチューブでも落語でいきましょう」
「テレビでも寄席でもして」
「どちらでも、そうしていきましょう」
「そうするわ、落語家が笑わせたい、注目されたいと思ったら」
 まさにというのだ。
「落語ね」
「他にないですよね」
「その通りよ、じゃあまた明日も朝から」
「勉強と稽古ですね」
「それがユーチューブでも注目されるはじめだからね」
 面白い落語をしてというのだ、こ
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