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最期の祈り(Fate/Zero)
悪は誰にも気づかれず……
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なぜだ、何故、彼らが死ななければならない!?彼らが死ぬべき理由など、何処にも無い!!
かつて、世界の理不尽さに嘆いた。理由も無く、人のエゴにより死んでいく人達。僕は、そんな理不尽が許せなかった。だから僕は……


ピピピ……
「もう、朝か……」
目覚まし時計の息の根を止め、ベッドから起き上がる。ここの世界に来て1週間、身の回りで少し状況が動いた。それが吉と出るか、はたまた凶と出るかは今後の状況次第だろう。
新たに解ったことも1つ。ここはやはり、平行世界と考えた方が良さそうだということ。理由は……まぁ、この世界の科学が明らかにオーバーテクノロジー過ぎること。この一言につきる。それでも、今現在、憂慮するような事ではない。懸案事項が在るとすれば……
まぁ、いいや。あまり考えたくは無いし。それよりも、さっさと出掛けよう。話はそれからだ。
side 一夏
ついてない。それが、俺の感情を表現するのにしっくりする。何故、よりにもよって……そんなことを考えていた。弾ならこの状況を喜ぶだろうが、俺はそうはいかない。別に、女性が嫌いなわけではない。寧ろ好きな方だ。ただ、24時間四方八方を女子で固められるのが好きか?と言われれば、“Yes”と答えられる自信がない。だが、今の状況はまさしく『それ』だ。ISが使えるというだけで強制的に女子校に入学。加えて、朝から晒し者になると辛いものがある。せめて1人、男がいればとあり得ない妄想までしていたとき、願いが通じた。
「さて、お前達に知らせがある。」
……報せ?
「まだ、未発表なのだが新たな男性IS操縦者が発見された」
「「「ー!!」」」
……え?
「あまりにも急な事態なので彼は編入生扱
いとなり、今日改めてこのクラスに入る事になった」
まだ、状況がよく理解できない頭で説明が続いていく。そして遂に、
「入ってこい。衛宮」
俺は、あの男と出会った。



織斑「先生」の指示に従い教室の扉を開ける。中から、大きくは無いが決して小さくもないどよめきが感じられた。体の動きを心から切り離し、足を教卓の前まで向ける。
「手短に挨拶をしろ」
「はい」
文字通り簡潔な自己紹介をする。
「衛宮切嗣です。以後、宜しくお願いします」
「よし、衛宮はあの空いている席に座れ。」
ほとんど義務的に指示に従う。そこからは、周囲からの微妙な視線に晒されながら教師の話しに耳を傾けた。
(……この年になって高校生をやるとは)
流石に、悪態の一つでもつきたくなる。だが、セリフとは裏腹に彼の感情はそこまで傾いでいなかった。かつて、夢を追うどこかで、普通の生活を夢見たことがあった。故に、かなり特殊な学校という事に目を瞑れば今の状況は悪くなかった。それに、
(もう一度自分と向き合う、いい機会だ……)
別に切嗣は、嘗ての
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