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元がいいので
第三章

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 恋方を見た、それで顔を顰めさせて言った。
「メイクして髪の毛もセットして」
「着ている服はいつもブランドだけれど」
「滅茶苦茶人相悪いから」
「もうどうしようもなく醜いわね」
「しかも言うのは悪口ばかり」
「他人に滅茶苦茶厳しく自分に徹底的に甘い」
「尚且つ仕事は全く出来ない」 
 こう言うのだった。
「そんな人が山下さんにどうか言っても」
「どの口が言うだよな」
「もうあんな人相手にしたら駄目ね」
「何があっても」
「くっ・・・・・・」
 恋方はその冷たい声と視線に歯噛みするしかなかった、そして。
 やがて会社の金を横領して自分の服に浸かっていることがばれて懲戒免職の上逮捕されることになった、こうして会社からいなくなった。
 そして彼女がいなくなってから佳奈は絵里奈に話した。
「あの人もいなくなったし」
「それでなのね」
「ええ、もうね」
 絵里奈に会社の近くの食堂で昼食を食べつつ話している、佳奈は焼きそば定食を絵里奈は海老フライ定食を食べている。
「気にすることなく、それでね」
「メイクもなのね」
「続けていこう、悪い気分じゃないでしょ」
「ええ、清原さんも黙ったし」
「ああした人はああなるのよ」 
 佳奈は捕まった彼女のことを話した。
「他の人にあれこれ言うだけの人はね」
「その人が凄くなったら」
「黙るのよ」
「そうなのね」
「逮捕されるとは思わなかったけれど」
 佳奈としてはだ。
「ああなるものよ」
「そうなのね」
「それでね」
 佳奈は焼きそばでご飯を食べつつ述べた。
「これからもね」
「メイクをして」
「仕事が出来て美人にね」
 そういうことを言われる人にというのだ。
「なっていこうね」
「ええ、そう言われて私も悪い気はしないし」
「それじゃあね」
「お仕事だけでなくメイクもしていくわ」
「そうしていこう」
 二人で話した、そしてだった。
 もう絵里奈を地味と言う人は誰もいなくなっていた、やがてお見合いをしていい人と結婚して幸せになった。結婚してからも仕事は続けたが会社の中では仕事が出来る美人という評判はそのままだった。そして家では夫と会社では佳奈といつも仲良く過ごした。


元がいいので   完


                 2021・9・19
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