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僕は 彼女の彼氏だったはずなんだ 完結
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 僕は、8月に入って、スーパーの品出しのバイトをやっていた。9月中頃までの予定だ。美鈴とは、あれ以来、会うことが出来なかったが、毎日連絡は取っていた。

 9月の初めに越してきて、店のオープンも中頃の予定だと言っていた。駅からは、歩いて10分ほどで少し、離れているが、車だと便利な所なので駐車場も確保してあるらしい。店の中は、テーブル席が5客でカウンターに8席の小じんまりした店だ。だけど、客席同士の間は、余裕を持たせたということだつた。

 9月になって、美鈴が越してきた時、引っ越し祝いをやろうとなったが、「それどころじゃぁ無い」と美鈴は、大変そうだった。店の内装も遅れ気味だし、什器類との納品のタイミングが合わないし、やることがいっぱいあって、少し、イライラしていた。

 僕達は、出来ることを手分けして、手伝うことにした。僕と昇二で開店時の原料、調味料の必要な物の計算と発注書の作成、光瑠は客席サービスをする人の採用面接、そして、光瑠の妹の明璃ちゃんには、メニュー表とか開店チラシの作成を専門とは違うが、友達に協力してもらうからと言って任せていた。美鈴は、工務店との打ち合わせとか、店内のレイアウトにかかりっきりだった。

 開店日の前日、木曜日。僕と昇二、明璃ちゃんとで駅前でチラシを配った。開店から3日間はチラシ持参の人ドリンク各一杯無料という内容だ。文句は「懐かしのナカミチが復活します」というものだったが、もう、知っている人も少なかった。だけど、無料券が付いているので、受け取ってくれる人も多かった。

 その日の夜、プレオープンとかで、僕達に好きな物をオーダーしてくれと言って、招待された。僕達より先に、工務店の4人カウンターに座っていた。僕と昇二は当然のごとく、ステーキを光瑠はクリームコロッケと鯛のハーブ焼き、明璃ちやんはハンバーグと海老フライのセットを頼んだ。新しく入った女の子がオーダーを聞いてきた。短大を卒業して勤めたが、合わなくて辞めたらしい。この娘をどうして、光瑠が薦めたのかは、わからなかったが、少し、ポッチャりめの愛想のいい娘だった。

舞依(まい)さん 2番テーブルのお客様 オーダーを復唱するの忘れていたわよ 落ち着いてね」と、美鈴が厳しく言っていた。カウンターの中では、美鈴のお父さんと若い男の人が二人で調理していた。男の人は、松永さんの所で働いていたということだった。

 料理はおいしかった。僕は、懐かしい感じもした。みんなにも、評判は良かった。タイミング的にも、4人のものが、ほぼ同時に運ばれてきて、美鈴が気配りしているのがわかった。

「明日は、僕と昇二で、各家にチラシ入れて来るヨ」と、美鈴に伝えると

「ありがとう でもね、新聞の折り込みもしてるから、大丈夫だと思うけど」と、美鈴が言っていたけど


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