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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga31王の帰還〜Return〜
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ざけるな!」と声を荒げ、思いの丈をぶつけた。

「私がどれだけ苦心に苦心を重ねたか! 貴殿なら見て知っているだろう! 私のささやかな幸せを奪うというのか!」

――テスタメントで得た思いも記憶も、人に戻れば淡くは叶い夢物語に過ぎません。二度と逢えない者たちの記憶を持ち、再会するための術を探さないと断言できますか? 探し当てた術が界律に反するものだったとして、愛した者たちとの再会を諦めて用いないと断言できますか?――

「それは・・・」

ルシリオンは即答できずに言い淀んでしまった。はやて達との思い出さえあれば大丈夫だと言ってはいても、再会できる術を全く探さないと確約は出来ず、見つけても試さないと断言も出来ない。その僅かな迷いが決定打となり、“界律”は決を下した。

――ルシリオン・セインテスト・アースガルド、マリア・フリストス・ヨハネ・ステファノス。貴方たちとの契約は今ここに完遂されたことを認め、これより貴方たちの精神を本来の肉体に戻します。ご苦労様でした――

「待ってくれ!」「待ってください!」

「「せめて、いつの時代に戻るこ――」」

ルシリオンとマリアの言葉は最後まで発せられることはなく、2人の精神体は神意の玉座から消失した。その一連の様子を見守っていた他の“テスタメント”の何柱かは「寂しくなるな」と、2人の居なくなった玉座を見て漏らした。が、その僅か数秒後には最強の漆黒の玉座、最弱の桃花の玉座に新たな“テスタメント”が出現した。
こうしてルシリオンとマリアの、2万年近い“テスタメント”時代に幕が下りた。
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