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おっちょこちょいのかよちゃん
156 赤軍の長、危険な遭遇
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 本部のとある部屋。赤軍の政治委員・吉村和江と足立正生はそれぞれ別室で監禁されていた。拘束こそはされていなかったが、それぞれの部屋からはどうやっても扉を開ける事はできない。二人はある時、声が聞こえた。
「吉村和江、足立正生、聞こえるか?」
「な、何者だ!?」
『我が名はイマヌエル。さて、話し合いの時間といこうか』
 吉村と足立は別の部屋へと瞬間移動させられた。
「こ、ここは・・・?」
 二人はとある椅子に座らされていた。しかし、椅子に張り付けられたように立ち上がる事はできない。そこにはイマヌエルがいた。
「さて、君達は一度戦争放棄した日本にどうして交戦権を再び持たせたいのか?」
「それは勿論、今の日本が弱くなっちまったからだろ」
 足立が答えた。
「しかし、そうでもないようだ。日本は経済が成長し、アメリカなどとも肩を並べられる経済大国になっているのだよ。まあ、川に流した工業排水による人体への毒が問題ともなっているが」
「何を言ってる!今の日本に必要なのは軍事力よ!そんな経済だの工業の発展だのはどうでもいいの!」
 吉村が激昂した。
「どうやらまだ分からぬようだな。少し失礼する。ちょっと待ちたまえ」
 イマヌエルは頭が固い連中と思いながら部屋を出た。

 フローレンスは「生前の世」への道を進んでいた。その時、通信機が鳴る。
「はい」
『こちらイマヌエルだ。赤軍の政治委員の二人には口で言ってもどうやら伝わらないようだ。解放させるのは難しいな』
「そうですか。しかし、そうしませんとあの国に無関係な人達が巻き込まれます恐れがありますからね。今、赤軍の長は本物の『三つの道具』を探し出します為に暴虐の限りを尽くしますかもしれません。それを食い止めればと思います。あの二人の解放は今の所保留としましょう」
『そうだね』
 通信を切り、フローレンスは東京都、静岡県、そして愛知県の神社に祀られている神を呼ぶ。
「皆様、赤軍の人間が何処にいますか、捜索して頂きたいのです。赤軍は我々の策に(はま)り、本物の杖か護符、あるいは杯を探しています筈です。放置しておりますと、無差別に多くの人に危害を加えます可能性がありますのです」
「了解しました。お探ししてみましょう」
「ありがとうございます」
 それぞれの神社の神達は一旦姿を消した。そして三分程して名古屋の祭神・熱田大神(あつたのおおかみ)が戻って来た。
「フローレンス殿。我が地の付近におりました」
「畏まりました。行きましょう」
 フローレンスは愛知県へと向かった。

 赤軍の長、重信房子は愛知県の上空へとジェット機を飛ばしていた。
(どこだ、もう一度襲ってやるわ・・・!!)
 その時、声が聞こえた。
「もうここに護符はございませんよ」
「だ、誰!?」
 房子は周
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