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僕は 彼女の彼氏だったはずなんだ 完結
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 昇二と光瑠に話した。新しい「ナカミチ」が見つかったこと、美鈴のお父さんを見たこと。

「行くんだろう 店に」と、昇二が聞いてきた。

「ああ 行くよ 当然」と、二人を前にして、答えたが・・。

「でも 本当は、怖いんだ あんなに、美鈴のことを探していたのに、いざ、会うとなるとな あの時、姿を消したのは、相当な覚悟があったのだろう そして、今でも、連絡してこないのは その覚悟を僕が、無視してもいいのかなってな」と、言うと、光瑠は僕の手を取ってきて

「蒼 美鈴だって、会えれば、嬉しいに決まっているじゃぁ無い あの時と違って、もう時間がたっているわ 今でも、思ってくれているんだと 蒼の想いだけでも伝えるべきよ」

「しかし、もう 僕のことなんか忘れて居るかも」

「何言ってんの 自信持ってよ あの絵馬を見たでしょ まだ あの娘は蒼のことを想っているわ 私達、応援しているから、ぶつかっていけー 今の君には、それしか武器が無い」

 - - - - - ☆ ☆ ☆ - - - - -

 その日、電話が鳴った。知らない番号だったが、肉の卸会社のこともあったので、出ると、松永さんだった。話をしたいので、店の方に来れないかという内容だった。

 次の日、3時過ぎに「ナカミチ」に行ったのだ。玄関は開いていて、店には、おそらく松永さんであろう人だけのようだった。

「三倉さんですか 初めまして、松永です 暑いのに、遠くまですまない ゆっくり、話を出来る所が思いつかなかったもんで」

「いいんです 僕も、お伺いしたかったから」

「だと思うよ そうなる前に、一度、会っておきたかったんだ」

「君の目的は、美鈴お嬢さんを探していたのか?」

「そうです 僕は、ずーと想っていた 突然、居なくなってからも、美鈴を忘れたことはありませんでした だから、会いたい」

「そうか 仕入先から若者が探しているようだと聞いて、この前も店まで来たようだったしな ピンときた お嬢さんから聞いたことがある若者だって だけど、今日は、僕から、お願いがあって、来てもらったんだ」

「じゃぁ 美鈴は近くに居るんですか」

「居る 元気だよ だけど、聞いてください 出来れば、今は、会って欲しくないのです」

「どうしてですか? 僕は、ずーと美鈴を想ってきた はっきり、愛しているんだと」

「わかる 君の手のミサンガを見た時に お嬢さんも、同じものを大切にして、離さない だから、この人もお嬢さんのことをずーと想ってくれているんだと」

「美鈴もまだ、持っていてくれてるんですか」

「ああ あの人は、もう、私のことなんか忘れてしまって居るかも知れないけど、私は蒼君のものと約束した絆だと言っていた 唯一、繋ぎ留めるものだからとな
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