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私の中に猫がいる 完結
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 5月になって、金曜の夜、仕事終わってから、デートに誘われていた。舞子の海岸に面したバーベキューテラスの予定。私は、いつもごちそうになっているから、早坂さんにお返しのプレゼントを用意していた。いろいろ悩んだ末、ハンカチーフにした。定番のネクタイだと安直すぎるし、意味ありげに思えたから。

 三宮の駅で待ち合わせをして、電車で30分ほどのところだ。駅を降りて、直ぐその施設はあった。海が目の前で、ライトで飾られた明石大橋も綺麗に見えていた。席に着くと、直ぐに食材が運ばれてきた。

「ワインがいいかな 最初はビールがいいか」と、早坂さんは私に聞くでもなく言っていたが

「ワインは飲み過ぎて、酔っぱらってしまうので、私はビールが良いです」

「かまわないじゃあないか 酔っぱらったって、ちゃんと送って行くよ」

「ダメです 乱れちゃうから」

「むしろ そのほうが可愛いよ その乱れるところ見てみたいなぁ」

「そういうの 悪趣味ですよー」

「そうか すずりさんのこと、もっと知っておきたいと思ってな 普段、見られないとこ」

「そんな恥ずかしいとこ見せられませんー」と、言いながら、野菜とか貝、海老を乗せていった。ビールがきたので、とりあえず、乾杯。

「早坂さんは、今までにお付き合いした人って、おられるんでしょ」と、聞いてみた。

「居ないんだよ 大学の時に、夜の女性を見てきたから、なんか、失せてしまってね だけど、君を見かけた時、吹っ切れた なんと、涼しそうな女の子だろうと 天使に見えた」

「おじょうずですね 私、そんないいもんじゃぁないですよ」

「本当だよ 去年の秋頃 君を見た時 それまでとは、雰囲気が違った 我慢できなくなってね それまで以上に 何かを感じるようになって・・誰かに、取られちゃぁいけないと思った」

 私は、お腹がいっぱいだったが、お肉がまだあったので‥食べ過ぎでビールもお代わりしたものだから、無理しすぎたかも そうだ、私、プレゼント渡すの忘れてた。

「早坂さん いつも、ごちそうになっているから、お礼」と言って、差し出した。

「えぇー うれしいなぁ そんな気を使わなくてもいいのにー 開けて良いかい?」

「ええ つまんないですよ ハンカチーフ」

「いや ちょうどいいよ いい柄だよ ありがとう 大事に使うよ」と、言って胸の内ポケットにしまった。

「お腹 いっぱいになったね 砂浜 歩こうか?」

「そうですね 少し、消化しなきゃぁね」

 砂浜は遊歩道の街頭の明かりで、思ったよりほんのりと明るかった。何組かのカップルの姿があった。波打ち際近くに座っているカップルは、大胆に抱き合っているのがわかった。

「寒く無いかい?」

「大丈夫 お酒飲んでいるし
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