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提督はBarにいる・外伝
提督のBlackOps遍
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これは……確かに、アポ無しでないと不味いわなぁ?コレは」

「でしょう?外聞的にも、内向きの理由的にもね」

「まさか……海賊行為を働く艦娘がいるとはな。しかも、ウチの庭先で」

 封筒の中身は、ブルネイの周辺海域に於いて海賊行為を働く艦隊の存在を示す報告書だった。黙々と資料を読み込んでいく提督に、疑問を呈する艦娘が一人。

「あの……それのどこがそんなに問題なのでしょうか?ギンバイは褒められた事では無いですが、昔からあった事ですし」

 ウチの総務の取り仕切りをしている大淀だ。




「あら、真面目を絵に書いた様な貴女がそんな事言うなんて……随分貴方に影響されてるじゃない。金城クン?」

「うるせぇ。ついでにその呼び方はヤメロ」

 ギンバイ、というのは食事に集るハエのごとく食糧をちょろまかす行為を揶揄した言葉だ。転じて、艦隊の運営に必要な物資を非正規の方法で手に入れる事をそう呼んだりもする。勿論海軍内の規律や風紀の乱れに繋がる行為である為に『見つかれば』厳罰物だ。が、艦隊運用は綺麗事だけで済まされ無い事もあるため、小規模な被害であれば『お目こぼし』される場合も無くはないのだ。実際、金城提督の鎮守府では資源調達に苦慮している警備府等の小規模な鎮守府に対して、こっそりとだが余剰気味の物資を横流ししたりして支援したりしている。無論、自分達が足りなくならない範囲での僅かな物だが。

「だが……今回の連中は見逃せねぇな。何しろ味方を撃沈したって報告すらある」

「まさか!?そんな事があれば、即座に報告を……」

「するのが普通、よねぇ。けれども報告は無し……何故だか解るかしら?」

 味方に艦隊の人員を撃沈された……つまりは殺された。そんな重大な事を上に報告すらしない。その理由は何か?

「そりゃ出来んだろう。仮にも軍隊だぞ?場末の喧嘩で警官がチンピラに刺されて殺されたのとは訳が違う」

「面子の……為ですか」

 軍隊、というのは国家の暴力装置だ。艦娘という特殊な敵対勢力を相手にする為の部隊とはいえ、その本質は変わらない。そんな軍隊が一番嫌う物は何か?と問われれば『他国に無礼(ナメ)られる事』だろう。国家の暴力装置たる軍隊が、他国に無礼られるという事は即ち暴力装置としての機能不全と変わらない。内部の統制が出来ていない軍隊など、整備のされていない暴発確定の銃の様な物だ。そんな銃を突き付けられても虚仮脅しになるかすら怪しい。

「万が一この不祥事が明るみに出てみろ。国内外の艦娘否定派と艦娘絡みの利権に食い込めなかった軍需企業の連中が手ェ組んで、大規模なデモが起きるぞ?いや、デモで済んでりゃ可愛い方か。下手すりゃ内戦が起きても可笑しくない」

 何しろ、敵は深海棲艦ではなく艦娘。自分達と同じ存
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