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犬小屋にいた雄猫
第一章
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                犬小屋にいた雄猫
 大石小太郎は茶色のやや長い髪の毛の青年だ、地元の大学に通いキャンバスライフとアルバイトそれに愛犬のおあげとの暮らしを楽しんでいる。
 おあげは茶色の雄の柴犬で今年三歳になる、茶色の毛色が油揚げの色に似ているので彼自身がおあげと名付けた。 
 この彼は午前は大学で午後はアルバイトに出ていた。それで夕方に帰ってきて母に対して笑顔で言った。
「じゃあ今からおあげの散歩行って来るよ」
「そうしてくれるのね」
「いつもしてるしね」
 おあげの散歩はいうのだ。
「だからね」
「それじゃあお願いするわね」
「うん、それとね」
 小太郎はさらに言った。
「散歩から帰ったらね」
「おあげのご飯ね」
「それもあげるよ」
「わかったわ、じゃあお願いするわね」
「それじゃあね」
 こう母に言ってだった。
 彼は家の庭にあるおあげの犬小屋に行った、そして。
 おあげの散歩に行くとだった。
 そこに上はダークグレー下は白の猫がいた、小太郎はその猫を見てすぐに母を呼んだ。
「お母さん、ここに」
「あれっ、この子確か」
 母はその猫を見て言った。
「川内さんのところの」
「あの子だよね」
「名前は何だったかしら」
「そこまでは知らないけれどね」
「最近見ないと思ったから」
「フゥ〜〜〜・・・・・・」 
 見れば猫はおあげの小屋の中に隠れる様に入って警戒している、二人を見てそうなっているのは明らかだった。
 その猫を見てだ、小太郎は母に言った。
「川内さん引っ越したけれど」
「この前ね」
「息子さん夫婦と一緒に暮らす様になったからって」
「まさか」
 母は息子の話に暗い顔になって言った。
「この子引っ越す時に」
「置いていったかもね」
「そんな酷いことする人達だったのね」
「あそこの奥さんヒステリックで文句ばかりで底意地悪くて執念深かったからね」
「だからなのね」
「もう自分以外の生きもの皆大嫌いだって人だったからさ」
「この子もなのね」
「ご主人が世話をしていて」
 それでというのだ。
「奥さんは全くだったんじゃないかな」
「そうした人だったのね」
「無責任なことでも有名な人だったし」
 このこともあってというのだ。
「ぞうじゃないかな」
「酷いことね」
「全くだよ、けれど」
 それでもとだ、小太郎は母に話した。
「この子放っておけないよ」
「そうよね、折角うちに来たし」
「あの人達引っ越したの二ヶ月位前だったけれど」
「家猫だったのに二ヶ月も野良暮らしだとね」
「相当辛かったと思うから」
 だからだというのだ。
「ここはね」
「ええ、すぐに助けて」
「うちで飼う?」
「お父さんにもお話してね」
 二人でこう話し
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