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おっちょこちょいのかよちゃん
148 贅沢な王妃、アントワネット
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よ・・・」
 そしてアントワネットに睨まれてかよ子達は硬直した。隣に住む高校生男子の威圧の能力(ちから)と同じような、いやそれ以上の強さに恐れをなした。
「あ、ああ・・・」
 かよ子達は一瞬のうちに気絶してしまった。

 フローレンスは様子を見る。
「藤木茂君救出班と敵がぶつかりましたわね」
「ええ、かよ子達、大丈夫かしら?」
 まき子は不安になった。
「その敵はかなりの強力で厄介な相手ですわね。それにその人と闘っていました私達の仲間が倒されました」
「その仲間っていうのは?」
 奈美子が聞いた。
「マリア・テレジアです。彼女の孫娘でありますマリー・テレーズは私達の世界の人間なのですが、テレジアの娘であり、テレーズの母上でありますマリー・アントワネットは戦争主義の世界の人間となっております」
「『ベルサイユのばら』とかいう漫画に出てくるあのハプスブルク家の?」
「はい、その通りです」
「でも、私はあの人結構美人で優雅だと思ったのに・・・」
 りえの母はそう印象を持っていた。
「確かに華やかな生活をしていました事は確かです。しかし、自分ばかり贅沢をしていまして貧困に喘ぎますフランスの国民達の怒りと非難を買いますことになり、革命が起きますとオーストリアへの逃亡を計画しますが失敗に終わりまして処刑されましたのです。戦争主義の世界の人間の長はその自己中心的な性格を買われて彼女をこの世界に呼び寄せましたのでしょう。そしてアントワネットは自分の娘を私達の世界から引き抜きます事を画策しています」
「引き抜き?そんな事できるの?」
「本来私達の世界と向こうの世界では相容れませんので無理です。ですのにアントワネットはそれでもテレーズを無理矢理自分の味方にしようとしています。此方も幾度も追い払ってはいますのですが、非常にしつこく、さらに厄介でなかなか倒せていませんのが現状です」
 その時、フローレンスの通信機がブーッ、と鳴った。
『こちらイマヌエル』
「はい、フローレンスです。どうしましたか?」
『情報が来ていると思うがパリ・コミューン達やテレジアが倒された』
「はい、私も承知しております」
『だが、テレジアが持っていた宝剣は孫のテレーズに引き継がせた。生前の世界の人間も連れて戦わせていると言って助け合ってくれと頼んだら引き受けてくれたよ』
「テレーズがテレジアの宝剣を使おうとしていますのですか?」
『その通りだよ。フローレンス、一応本部守備班の一部もアントワネットとの戦いの現場に向かってはいるが君には次郎長一派に藤木茂救出班への援護を呼び掛けてくれるかい?』
「畏まりました」
 フローレンスはまき子達に告げる。
「では、私は援軍を求めに行って参ります」
 フローレンスは瞬間移動の如くその場から消えた。
(かよ子・
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