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物語の交差点
とっておきの夏(スケッチブック×のんのんびより)
煌めけ!浮き世の君花火
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なっちゃんは深々と頭を下げた。よく見るとうっすら涙を浮かべている。


ひかげ(かず姉かっこいいな…。)

なっつん「……ウチも母ちゃんに聞いてくるよ!」

蛍「わ、私も親に聞いてきます!」


弾かれるようになっつんと蛍が部屋を出ていった。
やがて越谷・一条両家からも許可がとれ、美術部員の一行は各家に別れて泊まる運びとなったのだった。



ーー
ーーー


その後の話し合いで越谷家には空となっちゃんと葉月が、宮内家には渚と樹々と木陰が、一条家にはケイトと朝霞が泊まることになった。
一同はそれぞれの家に荷物を置いてから蛍の家に集まった。


蛍「あっ、皆さんこんばんは」

れんげ「にゃんぱすー」

一穂「やあ、来たよ」

なっつん「おお、いっぱいあるねえ!」

葉月「打ち上げ花火に手持ち花火に線香花火…ネズミ花火もあるわね」

朝霞「ええ、どれも面白そうですねー!」

蛍「前回花火をしたときは打ち上げ花火が一本だけしか買えなかったので今回はたくさん買っておきました」

小鞠「あー、花火のあとホタルを見に行ったときかあ。あれはあれで楽しかったけどね」

一穂「よーし、まず景気づけに打ち上げ花火やるよー!」


一穂が打ち上げ花火をひとつ手に取った。


れんげ「姉ねぇ、火のつけ方知ってるん?」

一穂「これ導火線付いてるから簡単だよ。でもテープが貼ってあるから“どうかせん”とね!」

一穂「なーんて…くひひ……ふははははは!」ゲラゲラ

一同「」シラーッ


打ち上げ花火の前に一穂が特大の花火を打ち上げ、そして暴発した。


渚(たしか春日野先生も同じこと言ってたわね…。)

なっちゃん(なんやろ、この気持ち…。)


一方、スケブ勢はなんとも言えない気持ちに囚われたという。



ーー
ーーー


その後は皆でさまざまな花火を楽しんだ。
途中、ネズミ花火のイレギュラーな動きに空が怯えたりなっつんが手持ち花火を振り回しすぎて小鞠に怒られたりれんげが線香花火をしながら悟りを開きかけたりしたものの、順当に花火は消化されていった。


ひかげ「これが最後の一本かあ」


ひかげが寂しそうに言った。


なっつん「まあまあ、そう言わず楽しみましょうや。じゃあ火ィつけるよー」カチッ


なっつんが最後の一本となった噴水花火に火をつけた。
点火して間もなく、花火は眩い七色の光を発しながら高く火柱を挙げた。


ケイト「オーウ…」

葉月「綺麗ね…」


言葉少なにその様子を見守る一同。
やがて火柱が収まったように見えた。


シュパッ!

ヒュルルルーーー

パーン
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