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吸血鬼は永遠に
密売組織
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がらの貴族というのは違うのか? ローラは自分の中に生まれた、この形容し難い想いを、どう扱って良いのか分かりかねていた。いっそ考えなければ気が楽だと思ったが、この不安とも畏怖とも言える気持ちは消え去る事は無かった。

 一週間後、ローラとマックスは突入部隊と共に、麻薬密売組織の出先機関の前に居た。出先機関と言っても、要は普通の雑居ビルである。今日はここにたむろしている連中を取り押さえて必要資料を押収し、メンバーを連行するのだ。
「連中の車のエンジンは破壊したか?」
マックスが停めてある車の中から無線で特殊部隊に連絡した。
「手筈通りです」
「よし、突入しろ!」
突入部隊が入り口のドアを爆破して中へ入った。何発か銃の音が鳴り響いたが、すぐに静かになる。
「制圧しました」
「よし、行くぞローラ!」
二人は粉塵の舞うビルの中へ入って行った。薄暗い部屋に三人の男が床にうつ伏せて後ろ手に手錠をかけられている。三人とも畜生とか今に見ていろなどと悪態をついていたが、こうなってはじっとしているしか無かった。
「三人を護送車へ連れていけ」
マックスは指示を出すと、机の引き出しを開けた。
「ミラ、収支記録が何処かにあるはずだ、探せ」
「ええ。でも、そういうデータはコンピューターに入っているのではなくて?」
「もちろんそうだろうが、セキュリティの関係上、より重要な記録は紙に録ってある筈だ」
ローラは脇の棚の引き出しを漁った。一番下の引き出しには鍵が掛かっていた。
「ここね」
ローラはナイフを取り出すと引き出しの隙間へ捩じ込み、鍵を破壊する。その時である。

「動くな!」
背後のバーカウンターの中から男が這い出て、銃をローラへ突きつけた。カウンターには細工がしてあり、人が中へ隠れられる様になっていたのだ。
「ローラ!」
マックスが叫ぶと同時に男は左手をローラの腰へ回して体を引き寄せ、彼女のこめかみに銃を当てた。
「よし、ナイフを捨てろ。おい、お前! 仲間の拘束を解いて連れ戻せ! さもないとコイツの命は無いぞ!」
「マックス! 駄目よ!」
「黙れ!」
男はローラの頭を銃床で殴った。ぐったりするローラ。
「わ、分かった」
マックスは無線を入れた。ゾロゾロと男の仲間が戻って来る。一人の男が部屋へ入り様、マックスを殴り付けた。
「ウッ……! 貴様ら、望みは何だ?」
「そうだな、空港に高跳び用の飛行機を用意してもらおうか。パイロットと移動用の車もな。コイツは人質として連れて行く。妙な真似したら……分かってるな?」
男は薄ら笑いを浮かべた。
「……分かった」
「よし、準備が整い次第、ここに電話をしろ。それまで、このビルに誰も近付けるな。お前はさっさと行け!」
「ローラ……」
マックスは切れた口の中で小さく呟くと外へ出た。
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