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イベリス
第十五話 慣れてきてその十

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「もう好き勝手言うでしょ」
「コメンテーターの人とかが」
「無責任にね」
「それでなのね」
「本当に好き勝手言って」
 そうしてというのだ。
「それが何の根拠もないから」
「注意することね」
「言うでしょ、テレビ観たら馬鹿になるって」
「言うわね」
「それは嘘やデマを鵜呑みにするからよ」
 その為にというのだ。
「そうなるっていうのよ」
「馬鹿になるって」
「実際にテレビばかり観てる人ってそうでしょ」
「そうね、実際に」
「だからテレビはね」92
 この媒体はというのだ。
「魔女狩りの教会と同じ位酷いから」
「そこまでなの」
「日本のマスコミ自体がそうよ、北朝鮮のことがあるでしょ」
「あれ?地上の楽園とか嘘言って」
「それで行った人いたでしょ」
「そうよね」
「けれど真実はね」
 北朝鮮の正体はというのだ。
「違ったでしょ」
「悪の組織みたいな国ね」
「特撮かアニメのでしょ」
「ええ、とんでもない国よ」 
 究極の独裁国家であり階級制度まで存在している、言論弾圧はどの国よりも酷く人権なぞなく人々は餓えている。
「あそこは」
「そんな国に行ってよ」
「誰も生きて帰って来なかったのよね」
「そんなことをしても」 
 それでもというのだ。
「誰も責任取ってないわよ」
「誰もなの」
「そう、誰もね」
 実際にというのだ。
「一人もね」
「とんでもないことをしたのに」
「それでもよ」
「だれも責任を取らないで」
「今に至るのよ」
「最悪ね」
「だからね」 
 こうしたことがあったからだというのだった。
「お母さんマスコミはね」
「信じないのね」
「そうなったのよ」
「それも当然ね。というか」
 咲は母の話を聞いてこうも言った。
「よくそんなことして良心が痛まないわね」
「お母さんもそう思うわ」
「大勢の人を知ってか知らないかでも地獄に送ったじゃない」
「天国って言ってね」
「行った人も鵜呑みにしてね」
「人生潰してね」
「どうかってなるけれど」
 騙される人も悪いというのだ。
「けれどね」
「第一はでしょ」
「騙した人が悪いから」
 そうなるからだというのだ。
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