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おっちょこちょいのかよちゃん
141 監視下に置かれた首相
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 宴は続く。
「ももこちゃん!ももこちゃんは手紙、何色になったの?」
 のり子がまる子に質問した。
「ああ、青だから藤木を捜しに行くよ」
「あ、私もだよ。その藤木って人知ってるの?」
「え〜、そりゃ、卑怯な男子だよ。なんかあると逃げるし、なんだかんだでウソつくんだよね〜。完全に悪い奴って訳じゃないんだけどさあ」
「そうなの?なら、どうしてそんな子がさらわれたの?」
「言われてみればそうだね〜」
「確かにそうだよな」
 大野が話に入って来た。
「あいつだったらすぐ逃げるはずだ。つまり、藤木を攫った奴は善人面して藤木に近づいて連れてったって可能性が高いな」
「うん、そうだよね。それに私、藤木君が笹山さんに出した手紙を見せて貰ったんだ・・・」
「笹山さん?」
「ああ、ウチの学校にいる女子だよ。藤木が好きになってるんだ」
「『笹山さん、僕は君の事を忘れるようにするよ』って手紙に書いてあったから異世界の人に騙されて連れて行かれたんじゃないかな?」
 かよ子はそう考察した。長山も話に関わる。
「ありえるね。兎に角藤木君の安否はどうなっているかだね。でもフローレンスが藤木君を取り返す係を決めているって事は藤木君は生きている可能性はあるって事だよ。僕は本部の守備に就くから一緒には行けないけど確かめるべきだね」
「うん!」
 そして友蔵が孫を呼ぶ。
「まる子や、料理がこんなに残っとるぞ!」
「ああ、行く行く!」
 食欲で思考が支配されている二人にまる子の姉はあの二人大丈夫か不安になるのだった(そもそも友蔵はこの戦いに招集された身ではない)。

 フローレンスは先代の杖、護符、杯の所有者が集まっている所に向かった。
「ご無沙汰しております。皆様」
「フローレンス・・・」
「道具をそれぞれの娘さん方にお渡ししました今の貴女方の役目は『本部の守備』ですが、この本部内で皆様の状況を確認します業務を担っていただきます。詳細は明日、説明致します」
「ありがとう」
「フローレンス。私は首相官邸の所へ行って来るよ」
 イマヌエルは告げた。
「はい、向こうも心配ですからね。お気を付けまして行ってらっしゃいませ」
 イマヌエルは部屋から出ていった。

 杉山は誰一人とも喋っていなかった。
「杉山」
 隣町に住む男子・山口が呼んだ。
「何だよ?」
「お前、大野と喧嘩したままだけどそのままでいいのかよ?」
「お前に関係ねえだろ」
「お前も攻め込みに入る役割だろ。川村やヤス太郎、すみ子も一緒だ。俺達と行動しようぜ」
「悪いが一人にさせてくれ」
「・・・分かったよ」
 山口は杉山から離れた。いつからあんなに愛想が悪くなったのかと山口は思うのだった。

 三木首相は赤軍の政治委員、足立正生と吉村和江の監視の中、官僚達に
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