第一章
[2]次話
飼い主を助ける猫
「ニャンニャンニャン!」
「どうしたの、ショッツィー」
テキサス州の自宅で騒ぐ愛猫のショッツィー、十一年前に家に迎え入れたダークグレーと白の雌猫の彼女が自分のところに来てしきりに鳴くのを見てブランディ=ミラーは最初何かと思った。ブラウンの髪をパーマにしていて青い目で紅の唇を持つ若い女性だ。
「一体」
「どうしたのかしら」
一緒にいる母のタミーも首を傾げさせた。
「私達のところに来て鳴きだして」
「何かあったのはわかるけれど」
それでもとだ、娘は母に言った。
「どうしたのかしら」
「お父さんに何かあったの?」
母はここで夫のカーク=マティス再婚で娘から見れば継父にあたる彼のことを思った。
「そういえば起きて来ないけれど」
「そうねお義父さんかしら」
「ニャンニャン!」
ショッツィーは二人がそう言うとだった。
その通りという風にまた鳴いてだった。
夫婦の寝室に駆けて行った、二人はその彼女を見て本当に彼に何かあったのかと心配になり後をついて行った、すると。
ベッドの上で夫、白髪で大柄な彼が仰向けになって動かない、ショッツィーはその彼の枕元に来て必死に鳴いている。それを見てだった。
妻も娘もこれは危ないと思って救急車を呼んだ、そうしてすぐに病院に担ぎ込んでもらうと。
「心臓麻痺であと少し発見が遅れたら」
「そうなったらですか」
「もう」
「危なかったです、猫が知らせてくれたそうですが」
それがと言うのだった。
「命の分かれ目でしたね」
「若しショッツィーが教えてくれなかったら」
「そうだったら」
「本当に危なかったです」
こう言うのだった。何とか彼は助かり退院するとだった。
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