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アライグマの赤ちゃん
第二章

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「テッドもギワザもいてな」
「うちにはね」
「いつも二匹を遊んでいるからな」
「だからよね」
「ああ、犬と一緒にいるからな」
 二匹が来るとだった、パンプキンも。 
 遊ぶことを中断して彼等のところに行って一緒に遊びはじめた、父は三匹で遊ぶ彼等を見つつさらに言った。
「それじゃあな」
「もうね」
「ああ、パンプキンはな」
「犬と思ってるのね」
「自分もな。境遇も似てるしな」
「パンプキンは拾って保護してね」
「テッドもギワザも施設で保護されていた子だからな」
 元保護犬だからだというのだ。
「だったらな」
「似た様な境遇ね」
「そのこともあってな」
「気が合って一緒に遊んでるから」
「もうパンプキンはな」
「自分を犬と思ってるのね」
「そうかもな」
「そうなのね、けれどね」
 それでもとだ、娘はここで笑って言った。
「パンプキンが幸せならね」
「それでいいか」
「自分を犬と思っていても」
 それでもというのだ。
「パンプキンはパンプキンだから」
「いいんだな」
「ええ、それでね」
 父にさらに話した。
「私達の家族であることに変わりはないから」
「だからか」
「それでもいいわ」
 パンプキンが自分自身についてどう思っていてもというのだ。
「いいわ、それじゃあ後でご飯あげましょう」
「そうだな、三匹一緒にな」
「そうしましょう」
 こう言って実際に後で三匹にご飯をあげた。アライグマのパンプキンと犬のテッドとギワザの食べものは違うが。
 三匹は仲良く一緒に食べた、一家はそんな彼等を見て思わず笑顔になった。そして母がこんなことを言った。
「これからもね」
「ああ、皆でな」
「一緒に暮らしていきましょう」
「三人と三匹でな」
 夫は笑顔で応えた、もう皆パンプキンを家族をみなしていた。拾われた彼はすっかり大きくなり赤ちゃんではなくなっていたが家族になっていた。


アライグマの赤ちゃん   完


                  2021・7・25
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