第二章
[8]前話
「お父さんとお母さんにずっと僕だけを見て欲しいってね」
「思う時があるわね」
「うん」
実際にというのだ。
「そうもね」
「そのことと同じよ、ミミも子供だから」
「お父さんとお母さんも」
「だからね」
猫でもというのだ。
「そうしたいから」
「一緒に寝るんだ」
「夜はね」
「ミミがお父さんお母さんと一緒に寝るにも色々理由があるんだね」
「そうよ、どんなことでも理由が幾つかある場合があるのよ」
息子にこのことも教えた。
「覚えておいてね」
「それじゃあね」
「じゃあ今からミミにご飯あげるわね」
二人の傍で丸くなっている彼女を見つつ話した。
「金吾も一緒にする？」
「うん、そうするよ」
「じゃあ今からね。ミミご飯よ」
「ニャオン」
ミミは鳴いた、そしてだった。
起き上がって二人があげたご飯を食べた、それは夕食で。
食べ終えるとだ、先程までいたソファーの上に戻って。
毛づくろいをしてだった、それから欠伸をして。
丸くなった、ここで父が戻ってきて言った。
「何だ、また寝てるのか」
「さっき起きてご飯食べたわ」
「それで食べてすぐか」
「こうしてね」
妻は夫に話した。
「寝だしてるわ」
「本当によく寝るな」
「ええ、猫だからね」
「それでだな」
「よく寝るのよ」
「そうだな、じゃあ今夜もベッドに来たら」
夫は笑って言った。
「一緒に寝るか」
「そうしましょう」
妻も言った、二人で丸くなっているミミを見ているが心からの笑顔になっていた。ミミはその二人の前で気持ちよさそうに寝ていたが夜は夫婦の寝ているベッドの中に入ってそうした。
猫が一緒に寝たがる理由 完
２０２１・７・２５
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