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猫が一緒に寝たがる理由
第一章

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                猫が一緒に寝たがる理由
 ミミはサビ猫の雌だ、喉が白く性格はのどかだが非常に我儘だ。
 その彼女を見て一家の母は小学生の息子の織辺金治黒髪を短くしていてあどけない顔立ちの彼に話した。
「猫はよく寝るわね」
「ミミいつも寝てるよね」
 息子は母にこう返した。
「何か」
「ええ、それはね」
「それは?」
「猫は『寝る子』だから猫になったのよ」
 その名前になったというのだ。
「そう言われてるのよ」
「よく寝るからなんだ」
「ええ、ただね」
 母は息子にさらに話した。
「周りにいつも気を付けているから寝ても」
「それでもなんだ」
「あまり深く寝ていないの」 
 警戒心が強く眠りは浅いというのだ。
「そうなのよ」
「そうなんだね」
「それでいつも夜はお父さんかお母さんと一緒に寝てるわね」
 どちらかのベッドに来て寝ていることも話した。
「これは居心地がいいからよ」
「だからなんだ」
「それでお父さんもお母さんも信じているから」
 だからだというのだ。
「一緒に寝て、寒さが嫌いだし」
「そういえばミミ冬はいつもベッドの中で丸くなってるよ」
 父か母のそれにとだ、金吾は思い出した。
「そうしているよ」
「それはどうしてかわかる?」
「寒さが嫌いで暖かい場所にいたいからだね」
「だからよ」
 それでベッドの中にいるというのだ。
「夜もね」
「暖かいからなんだね」
「お父さんとお母さんもいるから」
 人の温もりもあるからだというのだ。
「だからね」
「暖かくもあるから」
「それとお父さんもお母さんも親と思っていて独り占めしたい」
「そうも想ってるんだ」
「金吾もそんな気持ちないかしら」
「そうかも」
 金吾も否定出来なかった、言われてみればだ。
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